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[MOM286]国士舘大FW平松宗(3年)_流経から主導権もぎ取る序盤の1G1A

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.20 全日本大学選手権準々決勝 流通経済大2-4国士舘大 麻溝]

 前半から前へ出てくることが予想された流通経済大から2点を先取して理想の試合展開へ持ち込んだ国士舘大。その原動力となったのが182cmFW平松宗(3年=新潟ユース)だ。前半8分、左サイドからのドリブルで相手DFラインに穴を開けると、ピンポイントで出されたラストパスをMF佐々木陸が右足ダイレクトで合わせて先制ゴール。さらに前線でよくボールを収めて流通経済大の反撃を押し返すことに成功していた平松は23分、右中間でFW新村玄武のラストパスに反応すると右足ダイレクトで逆サイドのゴールネットへシュートを叩き込んだ。ゴールへの角度があまりなく、決して簡単なシュートではなかったが、平松は「大きく振りすぎないでミートするイメージで打ちました。芯に当たった感じで、打った気がしなかったです。あの位置のシュートは練習からやっているので自信を持って打ちました」。この序盤の2得点が流経大から主導権をもぎ取り、チームを準決勝へ近づけた。

「自信を持っているのはヘディング、キープ力、前線でタメをつくるところ。(ボールキープについては)ボールも見つつ、身体先に当ててキープする。今年に入ってそれが上手くできていた」というFWは関東大学リーグ1部で9月以降に得点数を伸ばし、チームトップの7得点。後半戦上り調子だったチームの中で結果を残した。またこの日は強風と雹(ひょう)が打ち付けるあいにくの天候だったが、雪国・新潟育ちの平松にとっては問題外。「寒さに強かったり、慣れているので、今ここで出ていると思う。新潟はこの時期、グラウンドが使えないくらい雪で埋もれているので、ボールが転がるだけで嬉しい」と前線で力強く走り回った。

 2回戦で対戦した阪南大のMF泉澤仁(大宮内定)は新潟ユース時代の1学年先輩だ。平松が2年時の日本クラブユース選手権でともに準決勝まで勝ち上がった。間近で見ていた先輩のように大学を経由してプロになることはひとつの目標。「なってみたいですね。ただ、もっとプロの世界は厳しいですよ。仁クンは上手いので、あのレベルくらいにならないとプロは無理じゃないかと思います。(阪南大には勝ったが、)仁クンは光っていたので、あの技術にならないとJ1の舞台には立てない。仁クンは駆け引きがうまいのでそういうところを見習っていきたい」と新潟ユースから大学を経由してプロになる先輩をお手本に自分のプレーの幅を広げるつもりだ。

 今大会の目標は優勝だけ。「日本一になりたいですね。今のチームで、4年生に取らせてあげたい」と意気込む。関東リーグ1部で最下位に落ち込んでいた春から、4年生が諦めずに引っ張ってきてくれたから今がある。「苦しい時でも下級生を引っ張ってくれた」という4年生とともに頂点を掴むために自分も全力を尽くす。

[写真]前半8分、国士舘大FW平松が先制アシスト

(取材・文 吉田太郎)
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