beacon

前回王者も消える!! 後半ロスタイム弾で横河武蔵野がF東京とのダービーを制す

このエントリーをはてなブックマークに追加
[9.9 天皇杯2回戦 FC東京 0-1 横河武蔵野 味スタ]

 天皇杯は9日に2回戦の11試合を行い、ディフェンディングチャンピオンのFC東京は味の素スタジアムで横河武蔵野と対戦した。前半から守備を固めて守る横河武蔵野に対し、F東京が圧倒的に攻め続ける。しかし、シュートに持ち込み事ができない。迎えた後半ロスタイム、横河武蔵野は約40mの位置でFKを得るとMF岩田啓佑が、ゴール前にボールを入れる。これがGK塩田仁史の頭上を越えてゴールに決まる。このゴールで、JFLで現在12位の横河武蔵野が前回王者を下している。

 MFネマニャ・ヴチチェビッチが公式戦初スタメンを飾るなど、5日のナビスコ杯・清水戦(2-1)から4選手を入れ替えたF東京が、立ち上がりからボールを支配する。しかし、5-4-1の布陣で守備を固める横河武蔵野を攻めあぐねる。前半21分にはCKからMF石川直宏のCKにDF森重真人が合わせたが、ゴールライン上でDFにクリアーされる。

 攻めるスペースのある横河武蔵野は、前半28分にMF加藤正樹がドリブルからシュートを放ち、速攻からチャンスをつくった。しかし、ボールを保持した際には相手守備を崩すことはできず。前半のチャンスは、この1本のみ。F東京も決定的な場面はあまりつくれないまま、スコアレスで前半を折り返す。

 後半、最初にチャンスをつくったのは横河武蔵野だった。後半6分、FW小林陽介が中盤で粘り、味方にボールをつなぐと、左サイドを攻め上がったDF上田陵弥にパスが出る。上田が強烈なシュートを放ったが、GK塩田仁史に防がれた。

 MF梶山陽平、MFルーカスを投入したF東京は、ボールを圧倒的に支配する。密集でもパスの出し入れが出来る2人が入り、多くのチャンスもつくりだす。後半20分にはCKからルーカスがヘディングしたボールを、FW渡邉千真が合わせてゴールを狙ったが、GK飯塚渉に防がれる。同22分にもルーカスのポストプレーから梶山が右足を振り抜いたが、ボールはクロスバーを越えて行った。

 後半33分にF東京のポポヴィッチ監督は、最後のカードを切る。MF田邉草民を下げて、MF羽生直剛を起用する。ピッチに入った直後、羽生は前方のルーカスへパスを出す。ルーカスはPA内でDFともつれるように倒れたが、吉田哲朗主審の笛は鳴らなかった。さらに41分には、CKから渡邉が打ったシュートはDFの手に当たって、ゴールラインを割ったように見えたが、これもCKと判定される。

 圧倒的にボールを保持するF東京は、後半44分、梶山のパスから渡邉がゴールを狙ったが、シュートはクロスバーに嫌われて、得点は動かない。このまま試合終了かと思われた後半ロスタイム、岩田が約40mの距離で得たFKをゴール前に蹴る。このボールが伸びて、GK塩田の頭上を越えてゴールに決まる。

 このまま試合は終了し、横河武蔵野がジャイアントキリングに成功した。「早いボールをゴール前に入れようと思った。結果的にゴールにつながって良かった。チームとして耐えられた結果だと思う。ここ1週間、このために練習してきたので。結果につながって本当に嬉しいです」と、決勝ゴールを挙げた岩田は笑顔を見せた。

(取材・文 河合拓)

▼関連リンク
第92回天皇杯特設ページ

TOP