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先制点を演出、2点目を決めたMF谷澤「坂本さんを国立に連れて行く」

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[12.15 天皇杯4回戦 千葉 5-0 福島ユナイテッド フクアリ]

 ジェフユナイテッド千葉は15日に行われた天皇杯4回戦で、福島ユナイテッドに5-0で勝利し、第83回大会以来となる8強に駒を進めた。立ち上がり、来季のJFL昇格を決めた福島ユナイテッドのプレッシングに苦しめられた中で、MF谷澤達也が流れを一気に引き戻した。

 前半14分にCKを谷澤が蹴ると、ボールはゴール前のDFに当たってゴールに吸い込まれた。「早い時間帯にセットプレーから先制できて、余裕を持って出来たと思います」と振り返る谷澤は、同25分にもミドルシュートを福島ゴールに突き刺し、勝利を大きく引き寄せた。

 今シーズン、福島ユナイテッドは東北リーグを舞台に戦っていた。千葉の所属するJ2からは2つ下のカテゴリーを主戦場とする相手だが、格下相手にも油断することはなかったと、谷澤は明かす。「カウンターがあるから気を付けようと話していたし、早い段階で相手の攻撃の芽は潰せていたと思います。そこでゲームコントロールができていました。いろんなチームが強くなり、こういう大会で上にくることで、サッカー界も盛り上がると思うし、サッカーの面白さだから、いいことだと思う」と勝因を挙げて、福島の躍進を称えた。

 千葉は惜しくもプレーオフの決勝で大分に敗れ、J1昇格を逃した。さらに11月中には木山隆之監督の退任を発表している。ただでさえ契約更新の微妙な時期にある選手たちが、モチベーションを保つには難しい状況だ。それでも谷澤は「坂本さんと一緒に国立まで行きたいと思います。そういう思いを持って準々決勝もプレーしたい」と、今季限りで引退を決意した『隊長』を国立に連れて行きたいと語った。

 準々決勝で千葉が対戦するのは、今季のナビスコ杯王者である鹿島アントラーズだ。「これからは上のカテゴリーの相手と対戦することになるので、シュートチャンスでしっかり決めきれるようにしていきたい」と、この日の5ゴールにも満足せず、谷澤は警戒心を強めた。

 チームメイトたちの想いを伝え聞いた坂本は「準決勝には戻れるかもしれないし、そこを目指してリハビリも手を抜くことなく取り組んできました。後輩を信じて、今後もしっかり続けたい」と、決意を新たにした。チームのレジェンドを思い出のつまった国立へ連れて行くために、千葉は一丸となって準決勝に臨む。

(取材・文 河合拓)

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