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大迫弾で千葉を振り切り、鹿島が2大会ぶりの4強進出

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[12.23 天皇杯準々決勝 千葉 0-1 鹿島 味スタ]

 天皇杯は23日に準々決勝を各地で行い、ジェフユナイテッド千葉(J2)は鹿島アントラーズ(J1)と対戦した。後半19分、鹿島はFW大迫勇也のゴールで先制すると、攻撃的な選手を次々と投入して猛攻に出る千葉の攻撃を凌ぎ切り、1-0で勝利。優勝した第90回大会以来、2大会ぶりの4強進出を決めた。

 千葉は4回戦の福島ユナイテッド戦(5-0)から、2人を変更した。井出遥也に代えて、山口慶が左SBでスタメン出場。また、FW荒田智之をベンチに置き、MF兵働昭弘がトップ下に入っている。一方の鹿島は4回戦の磐田戦(3-1)と同じスターティングメンバーで、この一戦に臨んでいる。
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 静かな立ち上がりの試合、最初にチャンスをつくったのは鹿島だった。前半9分にMF小笠原満男のFKからDF青木剛がヘディングでゴールを狙ったが、ボールはGK岡本昌弘に防がれる。その後は互いに決定機をつくれないまま、時間が経過していく。同26分にはPA外から千葉のFW藤田祥史が左足でシュートを放ったが、こちらもGK曽ヶ端準に防がれた。同35分にも千葉はFKのこぼれ球を拾ったMF佐藤健太郎が、PA外から左足でシュートを放つ。GK曽ヶ端がFKの処理で飛び出していたため、ゴールにはカバーに入っていたDF岩政大樹1枚という状況だったが、ボールは右に外れて行った。

 押し込まれる時間の続いた鹿島も、前半終了間際にチャンスをつくる。45分に前線で縦パスを受けた大迫がPA外からシュートを放ったが、ボールはクロスバーを越えて行った。さらにロスタイムにも、右サイドのMF遠藤康が上げたクロスを、大迫がゴール前で合わせたが、GK岡本が体に当ててブロック。直後に鹿島が得たCKも得点にはつながらず、スコアレスで前半を終えている。

 後半3分、鹿島は小笠原のサイドチェンジからフィニッシュに持ち込む。PA内でボールをキープした大迫の落としを遠藤が狙ったが、シュートは枠を逸れて行った。圧力を強める鹿島は、8分にもPA内で遠藤がシュートを打つが、これもGK岡本に防がれ、得点を挙げられない。

 後半17分、千葉は谷澤を下げてFW深井正樹を起用する。前線で精力的に動く深井を軸に、千葉が流れをつかみかけたそのときだった。19分、右サイドからのボールを大迫が流し、隣のドゥトラへ託す。ドゥトラが前に仕掛けると千葉のDFに囲まれ、ボールがこぼれた。これを大迫が回収し、縦に持ち込んで右足を一閃。シュートを決めて、鹿島が先制した。

 先手を取った鹿島は後半21分、ドゥトラ、遠藤に代えてFW興梠慎三、MFレナトをピッチに送り出した。同29分には千葉もDF山口慶を下げて、MF登録の田中佑昌を右SBに起用し、高橋俊希を左SBにスライドさせた。鹿島は後半31分、交代出場した興梠が千葉の最終ラインの裏を取り、シュートに持ち込んだが、強烈なシュートはGK岡本に防がれる。その後も、ゴール前に走り込む興梠にボールを集める鹿島だが、あと一歩で2点目があげられない。

 攻めるしかない千葉は後半35分に最後の交代枠でMF伊藤大介を下げて、FW荒田智之を送り出した。39分には左サイドで細かくパスをつなぐと、PA内に高橋が侵入。折り返しを兵働が右足でシュートしたが、ボールを枠に飛ばせずに決定機を生かせなかった。同42分には鹿島も新井場を下げて、DF昌子源を起用し、交代枠を使い切った。同43分には再び兵働が決定機を得たが、ラストパスがズレていたこともあり、窮屈な体制で打ったボールは、クロスバーの上へ飛んで行った。

 試合終了間際には、左サイドからのクロスにMF米倉恒貴が走り込み、ヘディングシュートを枠に飛ばす。しかし、GK曽ヶ端に弾かれて万事休す。最後まで千葉に得点を許さなかった鹿島が大迫の1点を守り切り、29日の準決勝ガンバ大阪戦に駒を進めた。

(取材・文 河合拓)

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