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J2勢唯一の8強進出も...千葉GK岡本「まだ甘い」

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[12.23 天皇杯準々決勝 千葉 0-1 鹿島 味スタ]

 数々のファインセーブも、結果には結びつかなかった。前半9分に、DF青木剛が放ったヘディングシュートを防いだのを皮切りに、ジェフユナイテッド千葉のGK岡本昌弘は、ゴールマウスへ飛んできたシュートを確実に防いだ。後半19分には、鹿島アントラーズのFW大迫勇也にゴールを決められたが、その後もFW興梠慎三のシュートなどを止めるなど、最後までチームメイトの反撃を信じて守り抜いた。

 試合後、すぐにゴール裏へ行き、挨拶をしようとしたチームメイトたちに、シーズン最終戦だからと、バックスタンドから回るように促した守護神は「今年1年を通してもミスが多かったと思います」と肩を落とした。そして「そういうチームの課題、個人の課題のところで、やっぱりいつも上を見ていかないと。J1の選手と比べたら遅いので、そういうところを意識してやっていかないといけないとあらためて感じましたが、悔しいです」と、鹿島との差を口にした。

 この試合、千葉が最少失点で済んだのも、彼の活躍によるところが大きかった。だが、「これで1点やられていなければ良かったのですが、1点取られて負けてしまったので、何も意味がありません。(今季限りで引退を発表し、現在リハビリ中の)坂本さんを、なんとか準決勝に間に合わせてあげたかったけれど、できなくて本当に申し訳ないです」と、唇をかんだ。

 DF山口智は「局面での気の利いたプレー、ポジショニングの緻密さが足りない。(攻守の)切り替えも遅いし、頑張っているようでも頭を働かせればもっとラクにできる。行き当たりばったりになっている。良い所もあったけれど、ここに満足していれば結果は出ない。終わってからも自分自身はしっくりこないし、ムカついています」と、吐き捨てた。再び千葉がJ1の舞台で戦うためにも、突き詰めなければいけないことは多くある。

 最後尾で戦っていた岡本も、こう試合を振り返る。「向こうが結構外してくれていたので、カウンターで1点取れていればという展開だったと思うのですが、うちも同じように得点できず、決定機をつくられて失点してしまった。その後も反撃しきれずに終わっちゃいましたね。細かいミスのところが差だと思います。言い方は良くないかもしれませんが、J2だったらやられないようなところでも、J1では(選手が)出て来るし、狙ってくる。そういう基本的なところを僕自身も含めて、もっと考えないといけない」

 この経験を来季に生かしたいところだが、事はそう単純ではない。千葉は昨年も4回戦で清水に0-2で敗れたが、その教訓を生かし切れなかったと、岡本は認める。
「昨年もJ1のクラブとやって…。毎年、思っているんですけど、しっかりJ1に上がって勝っていうことを目指すなら、こういう中でもしっかりやらないといけないし、できないといけない。そういうところで、まだ甘いと思う。もっと上を見るならしっかりやっていかないといけない」

 今季、J1昇格プレーオフ決勝で大分に0-1と敗れた千葉。天皇杯ではJ2勢で唯一8強まで駒を進めたが、そこに満足してはいけないと選手たちは警鐘を鳴らした。
(取材・文 河合拓)

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