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[MOM642]柏U-18FW木村裕(3年)_10番が首位導く2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.22 高円宮杯プリンスリーグ関東1部第14節 桐光学園高2-3柏U-18 しんよこ]

 敗れれば目標のプレミアリーグ昇格が遠のく首位・桐光学園との大一番。10番を背負うFW木村裕が2ゴールで柏レイソルU-18を首位へ導いた。

 まずは2点ビハインドとなった直後の後半6分だ。U-19日本代表MF秋野央樹がGKとDFの間に蹴った右FKに反応すると、頭で追撃ゴールを押し込んだ。シュートやコンビネーションに自信を持つ木村だが、ヘディングはやや不得意。ただ「今までヘディングで取ることがまずなかった。でも最近トップの練習に行かせてもらうことが多くて、ヘディングも強くなくちゃFWではやっていけないと思っていた。練習が終わった後も自主練でひたすらセンタリングを上げてもらってヘディング練習をやったり、海外の選手の映像を見たりしていた」。その成果を出す一撃を課題の頭で決めると、2-2の後半33分には決勝ゴールをねじ込む。

 右SB堤勇人からのパスをPAで受けると、DFを身体で抑えながらボールをキープ。「ちょっとトラップが浮いちゃって、バックの人と身体の入れあいになったんですけど、いいところにボールが転がったのであとは撃つだけだった」と左足を強引に振りぬき、チームに歓喜をもたらした。

 今春は右膝の負傷に悩まされて満足なプレーをすることができず、今後のサッカー人生について悩んだ時期もある。だが徐々にコンディションを戻した10番は7月にトップチームに2種登録され、8月の日本クラブユース選手権決勝では後半ロスタイムに劇的な決勝ゴールを決めた。「(負傷中)試合に出ていない自分を引き上げてくれた」と感謝する仲間の支えで今は前だけを向いてプレーすることができている。

 こだわっているのはゴール。「トップの工藤くんとかも『FWは点取らなきゃダメ』みたいなことを言っていて、自分も最近凄く点を意識している。点に凄く意識を持つようになってからは結果も出ている。点というのはこれからも貪欲に狙っていく」。トップチームと対戦した天皇杯2回戦ではクロスバー直撃の右足FKを放ったほか、決定的な場面に絡みながら無得点。「点取りたかった。0-3で結果だけ見て、やっぱりユースダメだなで終わっちゃうので。もうちょっとインパクトを残したかった」と悔しがったが、その後のプリンスリーグ3試合で5得点と無念を力に変えている。

 小学1年から柏一筋。目標は有力視されているトップチームへの昇格だ。もちろんゴールを狙い続けるが「本当にチームで勝ちたい。もちろんゴールを狙いますけど、チームが勝てるようにプレーする」。この日首位に立ったチームをプリンスリーグ関東1部昇格1年目で優勝へ導くことができるか。憧れのFW工藤壮人が貴重なゴールでトップチームのJ1制覇に貢献したように、木村もU-18チームにタイトルをもたらす。
 
(取材・文 吉田太郎)
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