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[MOM655]兵庫県DF加古晴也(神戸U-18、1年)_最終ラインの“大砲”、衝撃PKと豪快ヘッドで2発

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.4岐阜国体少年男子決勝 兵庫4-1福岡 飛騨古川WB]

 優勝した兵庫県の最終ラインには“大砲”がいた。1-1に追いつかれた直後の前半29分、兵庫県はMF米澤令衣(神戸U-18、1年)がPAで倒されてPKを獲得。キッカーに指名されたのは10番FW表原玄太(神戸U-18、2年)ら注目のアタッカーたちではなく、CBを務めるDF加古晴也(神戸U-18、1年)だった。

「弾丸で決めてこい」「流れ変えてこい」と先輩たちからの後押しを受けてペナルティスポットに立った加古は、渾身の右足シュートをゴールへ突き刺す。ともにPK戦へもつれ込んだ千葉県との準々決勝、大阪府との準決勝でも「そんなに思い切り蹴らなくても」というほどのフルパワーでの弾丸PKをゴールへと突き刺していたが、この日も衝撃的なPKがGKの横を突き抜けていった。

 相手選手からは「右へ飛べ、右へ」とコースを指示する声が上がっていた。だが、「読まれていたんですよ。それでも取られないと思っていたので、思い切り蹴りました」という加古は勝ち越しゴール。そして「PKは悔いの残らないように思い切り蹴って、枠に入れば絶対に入ると思っている。PKは気持ちです。これからも蹴り続けます。逃さないです」と胸を張った。

 フルパワーで蹴ったPKで流れを引き寄せたCBは豪快なヘッドで福岡の戦意を大きく低下させた。2-1で迎えた後半21分、左SB山口真司(1年)が蹴った左FKを打点の高いヘディングシュートでゴールへ突き刺して大きな3点目。粘る福岡を沈める貴重なゴールだった。

 中学時代までFWを務めていたCBの憧れの存在は高校3年生ながら6月にトップチームとの契約を結んだU-19日本代表DF岩波拓也だ。「憧れの岩波クンという存在が大きくて、予選入る前から得点取れるCBになりたくて、やってきた。あの人は得点できるし、守備もできる。ホンマに憧れの人でその人目標にやってきた。でも、今回は1回戦からなかなかゴールできず悩んでいた」と明かす。
 
 ただ、“得意の”PKで目覚めた加古は頭で試合を決める一撃。もちろん、一発で展開を変えるサイドチェンジや岩波から直接アドバイスを受けているというヘディング、対人の強さも武器だが、この日はその得点力で大きな輝きを放った。

 高校3年の夏にU-18チームから飛び出した憧れの存在も成し得なかった国体優勝を果たした。「結果を残せたんですけど、もっともっと上を目指していかないとここで満足したら上はないんでもっともっと上を目指していきたいです」。この勝利とゴールをさらなる自信に、180cmCBは自身の価値をより高めて、プロの舞台で活躍できる選手になる。
 
(取材・文 吉田太郎)
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