beacon

[MOM672]日本航空MF山口和樹(2年)_柏U-15出身の153cmMF、2本のスルーパスでV候補沈める!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.3 全国高校選手権山梨県大会準決勝 帝京三0-2日本航空 中銀スタ]

 153cmの小さなMFが優勝候補を沈めた。日本航空のMF山口和樹(2年)はピッチ上の誰よりも小さなアタッカー。だがその存在感は際立っていた。「相手がいないところ、いないところへ顔を出してスルーパスだったりを狙っていた」という通りに絶妙な動き出しと最適なポジション取りでボールを受けると、得意の鋭いドリブル、スルーパスでチャンスメーク。前半23分に左中間からMF深澤大樹の先制ゴールをアシストすると、39分には右中間からFW市原駿へスルーパスを通して2点目もアシストした。

 受け手の欲しいタイミングに合わせた完ぺきなスルーパス2本。機動力の高いドリブルに加えて、周囲を活かしたパス、前線からのディフェンスでも貢献度の高かった山口は2ゴールをもたらした。仲田和正監督も「(山口は)経験値が高い。(全員で勝ち取った勝利だが)彼が効いていた」と頷くハイレベルなパフォーマンス。「フィジカルだと絶対に負けるので、身体を当てるのではなくて、ワンタッチやツータッチなど少ないタッチで相手をかわせたらと思っている。ゴール決めたかったですけど、でもアシストできたのは嬉しかったです。今までで一番いいゲームでした。決勝はそれを超えたいです」と決勝で最高のプレーをすることを誓っていた。

 愛知県出身で小学生時代は名古屋グランパスの下部組織、中学時代は柏レイソルU-15に所属していた。柏のU-18チームに昇格も可能だったが「高校サッカーがやりたかった」と日本航空への進学を決意。Jユースチーム昇格を蹴ってまで選手権出場に懸けてきた。その目標まであと1勝。「全国まで行ったことないので絶対に全国行って勝ちたいです」。小さな大黒柱が最高のプレーを誓う決勝で日本航空を悲願の初Vへ導く。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2012

TOP