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[MOM690]東京VユースMF中島翔哉(3年)_異彩放つも不発に「上手い選手を目指している訳ではない」

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.2 プレミアリーグEAST第17節 東京Vユース1-0札幌U-18 ヴェルディG]

「4人、5人前にいても全然怖くなかったし、そんぐらい抜けなきゃダメだと思います」。得点こそなかったが、ボールを持てば何度もファーストDFをかわし、個人で局面を打開してチャンスをつくり出した。そして後半40分には自ら獲得した右CKから決勝ゴールの起点となった。すでにトップチームで4得点を決めている東京ヴェルディユースMF中島翔哉(3年)が貫禄のプレーでチームを勝利へ導いた。

 目指している場所がずっと先にあるから、より高いレベルのプレーを追求する。中島とFW前田直輝がトップチームから合流してからまだ間がなく、この日チームは決して連係の良いサッカーをしていた訳ではない。その中で10番は時間帯や展開によってゲームメーク、ラストパスの出し手、そしてフィニッシャーとしての役割もしようとしていた。

 相手の厳しいプレッシャーの中でゴールまで遠い位置でプレーする場面も多かった。ただ、中島自身はそこからでもゴールに直結するプレーをするつもりだった。勝利に貢献する中で自身も相手の脅威になり続けたかった。勝利には貢献したものの無得点。「ボクは別に上手い選手を目指している訳ではないので。怖い選手になっていければいいと思います。点は決めたい。いつも言っているんですけど、点を決めないと前の選手はその試合で仕事していないと言えると思うので、きょうはみんなに勝たせてもらった感じ」とノーゴールに終わったことを反省していた。

「常に世界を意識して時間を無駄にしないようにやりたい」と語るなど、常に世界へ目を向けてきた。その舞台に立つために日頃から誰よりボールに触れ、トレーニングを重ねてきた。高校3年生でJデビューを果たしハットトリックまで達成したが、欲求は尽きない。自分の評価を勝ち取るためには、どの試合でもゴールを決めることが最も周囲へインパクトを残すことのできる手段だと信じている。J2での4ゴールについても「2チームからしかゴールできなかった」と首を振る。「起点になっただけじゃ記事は書きづらいと思うんで。アシストでもインパクトが弱いと思う。海外のサッカーを見ていても『香川、ゴール』と言ったら決めたんだと思いますけれど、アシストでは自分はそんなにインパクトはない。ゴールというものが自分の評価を上げるためにも大切ですし、自分の自信とか次にゴールに行くための勇気とかにつながっていくと思う」。今年の公式戦は最大でもあと2試合。ゴールを演出するだけでなく、インパクトある結果を残してチームに勝利をもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
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