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[MOM691]浦和ユースDF新井純平(3年)_「とにかく精一杯」戦った主将“魂”の90分間

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 浦和ユース3-0旭川実高 埼玉第2G]
 
 ピッチ上の誰より貪欲にゴールを目指していた。特に後半は何度も何度も最終ラインから最前線まで駆け抜けた浦和レッズユースSB新井純平主将(3年)。13分、17分、29分と右サイドを突破してゴールへ迫り、33分にはピンポイントのラストパスでFW中村駿介の先制ゴールもアシストした。3-0の勝利に大きく貢献。プリンスリーグ降格が決まり、試合後は誰よりも責任感を感じていた主将だが、ピッチ上で放った存在感は誰よりも大きかった。

 鬼気迫るような“魂”の90分間だった。「きょうは勝つしかないということが分かっていた。ユース年代最後の試合ということもあり、自分の持ち味である、オーバーラップを見ている人や後輩たちに見せて、何か最後に与えられたらなというか、気迫を見せられたらなという気持ちでとにかく精一杯やりました」。この試合に3年間の全てをぶつけるつもりだった。勝てばわずかではあるがプレミアリーグ残留の可能性もある。とにかく自分のプレーをやり抜いて勝つだけだった。

 抜群のスピードと走力を活かしたオーバーラップはもっとも得点の可能性を感じさせる武器に。何度も右サイドをアップ・ダウンすると、0-0の後半33分には右サイドを再び切り裂き、“ここしかない”というコースへのラストパスで中村の先制ゴールをアシストした。背番号2はその姿を見ている人たちに十分印象づけていた。

 ただ「絶対に残留」の思いは届かず、降格決定。「残念な気持ちしかない」と語り、「自分の責任」と自らを責めた。昨年のU-17W杯のピッチにも立ったSBは悔し涙で浦和から卒業することとなった。ただ、この日の悔しさとトップチーム昇格を逃した悔しさは絶対に忘れない。「フィジカルの面で負けてしまうこととかフィードの正確性がまだ自分に足りない。攻撃の面では、オーバーラップはできてていも個々で打開するという部分が自分でもできていないと思っている。その面を磨きながら頑張っていきたい」。すでに早稲田大スポーツ科学部のスポーツ推薦入学試験合格が発表されている。大学サッカー界屈指の名門で技を磨き、4年後、必ず浦和の力になる。

(取材・文 吉田太郎)
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