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[MOM705]香川西FW近藤義剛(3年)_3度目の選手権で初弾含む2ゴール

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 創造学園2-3香川西 フクアリ]

 最上級生となった自覚が、FWを変えた。1年時、2年時にも選手権に出場していた香川西のFW近藤義剛(3年)は、過去2大会をノーゴールで終えていた。しかし、最後の選手権の初戦となった創造学園戦では前半17分に先制点を挙げると、後半34分にもゴールネットを揺らし、2ゴールを挙げて、チームの1回戦突破に大きく貢献した。

 意識の変化を、近藤は認める。「今までは上の学年の先輩に引っ張ってもらう意識がありましたけど、今年は『自分が点を取りたい』という気持ちが強くなっていましたし、それが良かったんだと思います」。

 前半17分の先制点は、MF金沢裕平(3年)からのパスを受けて、GKをかわして決めたもの。「(金沢とは)寮の部屋も2年のときから一緒ですし、1年のときから一緒に試合に出ていたので、分かり合っていると思います。良い感じでボールを受けることができて、GKを冷静に見て、流し込むことが出来ました」と振り返る。

 決勝点となった3点目はFW藤岡航世(1年)が、PA内でDFをかわしてシュートしたボールをGKが弾いたボールを押し込んだ、点取り屋の嗅覚を感じさせるものだった。「練習からリバウンドは意識してやっていたので、その成果が出ましたね。相手も強くて2-2になって、勢いもあった。難しい試合になりましたが、あそこで点を取ることができたので、FWの仕事を一つこなせたかなと思います」と、してやったりの表情を見せた。

 自身は3度目の選手権だが、チームメイトには初出場の選手もいた。チームに普段とは違う「固さを感じていた」と言う近藤は、前線からチームメイトを鼓舞しつつ、得点という結果も出した。「結構、試合中は怒鳴りましたね。クリアーも飛ばなくて、押し込まれる時間もありましたが、我慢かなと思ってやれました。過去2回の選手権では僕もプレッシャーを感じていましたが、今回は一番経験があるので、引っ張ろうと思っていました」と、振り返る。

 精神的にも、ゴールという結果でも、チームを引っ張った13番は「過去2大会も見に来てくれていた両親にゴールを見せることができた」と、喜んだ。そして「今大会、5点は取りたいです」と、さらなるゴールラッシュを誓った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 河合拓)

【特設】高校選手権2012
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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