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[選手権]初陣対決はPK戦の末、聖光が勝利!

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[12.31 全国高校選手権1回戦 盛岡中央1-1(PK4-5)聖光 市原]

 第91回全国高校サッカー選手権1回戦が31日、行われた。盛岡中央(岩手)と聖光(山口)による初出場同士の対戦となった千葉・市原臨海競技場の第1試合は、1-1からのPK戦の末に、聖光が5-4で勝った。

 試合開始から「前半はリスクを避けて、ロングボールを狙っていた」(MF山口有人・3年)という聖光が後方からのロングボールで相手DF裏を狙い、チャンスを伺う。15分、右サイドからのパスが渡り、ゴール前のFW清木善憲(3年)がPA右にポストプレー。走りこんだ山口がGKをかわし、無人のゴールを狙うも懸命に戻った盛岡中央DF佐藤祐那(3年)に枠からかけ出しされてしまう。

 決定的なピンチを防いだ盛岡中央はここから流れを取り戻し、期待のボランチ久保拓夢(1年)を基点にサイドに展開。個人技から鋭い攻撃をしかける。23分には久保が中央から右へ展開したボールをFW岩田英嗣(3年)が受けると素早くドリブルでPAへ進入。GKをかわして放ったシュートはDFに防がれてしまい、34分にも同じく右サイドからMF熊谷心真(3年)がドリブルで中へと突破してフリーでシュートを狙うも寄せたDFの足にあたり、GKの元へ。両者、チャンスこそ作るも1点が遠い、歯がゆい展開で前半を終える。

 後半も拮抗した展開が続く中、試合が動いたのは17分。聖光が左サイド山口の突破から右CKを獲得。このチャンスをキッカーのMF栢原雄己(3年)が中央へマイナスに転がし、中央20m付近から山口がダイレクトでシュート。このボールが相手DFの隙をすり抜け、ネットを揺らす。「練習していた通り」(山本秀和監督)の一撃で先制した聖光だったが、「このまま行けるかなと思ったけど、選手権の難しさを痛感させられた」(山本監督)とリードは長く続かず。直後の後半21分にGKが前に出て弾いたボールを盛岡中央・岩田に押し込まれ、同点に追いつかれてしまう。

 その後、両者、勝ち越しを狙って攻めに出るも決着は着かず、勝負の行方はPK戦に持ち越されることになった。ともに4人目のキッカーまで成功し、迎えた5人目。先攻の盛岡中央MF鈴木一朗(2年)のキックを聖光GK河杉武蔵(2年)がストップ。続く後攻の聖光・DF兼重泰地(3年)がしっかり決めて聖光が記念すべき初勝利を挙げた。

 次の対戦相手は前々大会の王者、滝川二(兵庫)。初出場のチームにとって、難しい相手なのは間違いないが、山本監督は「今日は個人で突破される場面があったので、2対1とか数的優位を作れるようにしたい」と課題を口にしつつも、「場慣れしましたんで、守備やペース配分での修正部分をもう一度確認できれば、しっかりパスを繋ぐ自分たちのサッカーが出来ると思う。2回戦はいいゲームが出来て、勝てると思います」と手応えを話す。勢いに乗る初出場校が伝統校にどこまで迫れるか。次のゲームからも目が離せない。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 森田将義)
【特設】高校選手権2012

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