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[MOM711]鵬翔GK浅田卓人(3年)PK戦と“ドリブル”で見せた守護神

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 東邦0-0(PK3-5)鵬翔 麻溝]

 0-0で迎えた後半39分。最後尾からドリブルで攻め上がる鵬翔(宮崎)のGKに、麻溝陸上競技場がどよめいた。ドリブルはGK浅田卓人(3年)自身も「時々やります」と明かす秘密兵器。最後尾の守護神ながら、「取ったらすぐ次につなげることは意識している」という攻撃性を兼ね備えているのが、彼の魅力だ。

 今日も前線へ一気に飛ばすフィードを何度か見せていた浅田だが、この場面は右サイドにスペースが空いていた。機転を利かせた彼は、躊躇なくドリブルで20mほど持ち上がり、前線にアーリークロスを送る。味方にこそつながらなかったが、慌てた相手選手が思わずハンドを犯してしまう。彼の攻め上がりが、イエローカードと好位置のセットプレーに結びついた。

 PK戦の主役も彼だった。相手の東邦は、愛知県大会決勝でPK戦を制して代表を決めている。GK西浦駿斗はその試合で、PKを1本も決めさせなかったという“PK戦男”だ。しかし鵬翔は全選手がPKを成功。「自分の感と、相手の動き方で見切った」という浅田が左に飛んで4人目・南祐希のシュートをブロックする。そんな頼もしい彼の様子をみた松崎博美監督は急遽、浅田を5人目のキッカーに指名する。

「公式戦では初めてだから、ビックリしました」という彼だが、「練習で蹴っているし、コースに蹴れば大丈夫」という自信があった。冷静にコースを突いたキックがネットを揺らし、PK戦は5-3で完結。浅田卓人の攻守にわたる活躍で鵬翔が2回戦進出を決めた。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 大島和人)

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