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[MOM715]帝京大可児MF朝見郁哉(3年)_3試合連続決勝弾!持っている男が自ら切り開いた運命

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 帝京大可児1-0和歌山北 麻溝]

 帝京大可児(岐阜)は岐阜県大会準決勝、決勝、全国大会1回戦と、3試合連続で1-0の接戦をモノにしている。この3点を一人で決めた“持っている男”がMF朝見郁哉主将(3年)だ。

 彼は確かに“持っている”けれど、必ずしも“運のいい男”ではない。朝見は「シュートは誰よりも自信を持っていますし、練習もしている。それが結果になっている」と強調する。迫田雄一監督も「自分から作り上げた勝負強さ。インハイで負けた後から、毎日シュート練習をしてきた結果が出た」と、その努力を認める。「1時間くらい本数をこなして、最後は3本連続で決めたら終わりというルール」でやっているのが、“持っている男”の自主練習だ。

 朝見はエゴイスティックに振舞う“ワンマンエース”とは違う。チームのキャプテンを任され、「献身的な守備には自信がある」「複数のポジションができる」というオールラウンダーでもある。迫田監督は彼を評して「タイプ的にキャプテン肌の人間でない」と言うが、「行動で“こういうことが大事”と表現してくれる」ことを評価する。言葉でなく、プレーと結果でチームを力づけるリーダーなのだ。

 この日も試合のスタートは左サイドだった。しかし前半の彼は「緊張しちゃうんで、ちょっと堅かった」と明かす。しかし朝見は後半21分の選手交代からセンターフォワードに回ると、その11分後に大きな仕事をした。まずMF野倉大輔(3年)が右サイドに展開。今大会の宿舎が同室というFW塚原教太(3年)が、中央にグラウンダーのクロスを送る。FW川島潤也(3年)はニアに飛び込んで潰れ、その奥で朝見が反応する。シュートに自信を持っているという彼にとっては、簡単なフィニッシュだったかもしれない。しかしチームにとっては、高校選手権の初戦2連敗という屈辱を晴らす、大きなゴールだった。

「絶対取れると思っていた。そんな予感がしていた」(朝見)。彼の予感、勝負強さには確かな理由があった。努力が結果を生み、結果が自信を生む。そんな好循環が帝京大可児のキャプテンを支えている。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)
(取材・文 大島和人)

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