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[MOM737]立正大淞南GK添谷舞樹(3年)_3連続ドンピシャ!すべてを読み切っていた“PKストップ職人”

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.3 全国高校選手権3回戦 立正大淞南1-1(PK3-0)旭川実 フクアリ]

 3試合連続のPK戦。それが旭川実(北海道)の敗因となった。立正大淞南(島根)のGK添谷舞樹(3年)は、旭川実のPKをしっかりと“予習”していた。

「PK戦に入って自信はありました。旭川実のPKは大津戦からメモしていて、蹴る順番、蹴る方向もすべて覚えた。1人目で助走の入り方まで一緒だったので、自信を持って臨めた」

 旭川実の1人目のシュートは枠を外したため、助けられたカタチになったが、添谷の飛んでいる方向は当たっていた。続く2人目の左隅、3人目の右隅への読みもドンピシャで、枠に飛んだシュートをストップ。一方、先攻の立正大淞南は3人連続で成功。PK戦に突入し旭川実有利かと思われたが、立正大淞南が最短でPK戦に終止符を打った。「失点シーンのハイボールは自分の守備範囲だったのに、(前に)出られなかった。ミスを挽回できたのでよかった」。笑みこそなかったが、PK戦については「満足」と胸を張った。

 添谷だけでなく、チームとしてPK対策を講じていたという立正大淞南。5か月前、全国高校総体準決勝で三浦学苑にPKで敗れた苦い記憶からPK戦の準備をしていたという。「これまでの結果を見ると、PK勝ちしていないと全国制覇できていない。絶対にPKはあると思っていた」とPK戦の重要性を南健司監督は説いた。

 攻撃力ばかり注目されるが、高い守備力も備えている立正大淞南。170センチとGKとしては小柄な添谷だが「ジャンプ力とビビらずに前に出るプレー」に絶対の自信を持っており、優勝候補を最後尾から支えている。そのプレーは、添谷が目標のプレーヤーと語る「川口(能活)選手」の姿ともダブる。大舞台でこそ力を発揮する川口のように、全国の舞台で立正大淞南のGK添谷は輝きを放った。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)

【特設】高校選手権2012
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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