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[MOM745]京都橘FW仙頭啓矢(3年)_今大会4度目の先制弾!決勝でも山学・碓井のようなゴールを

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.12 全国高校選手権準決勝 京都橘3-0桐光学園 国立]

 先制点を叩きだしたのは、またしてもこの男だった。前半42分、京都橘(京都)はMF中野克哉(1年)のクロスバー直撃の右足シュートのこぼれ球に反応したFW仙頭啓矢(3年)が右足で押し込んで先制点。カウンターの起点としてFW小屋松知哉(2年)へスルーパスを出していた男はしっかりゴール前まで詰めてチームに歓喜をもたらした。これで仙頭は今大会5試合中4試合で先制ゴール。「こだわっている」という1点目でチームを乗せた仙頭は「ずっと夢見ていた舞台でゴールを決められたので、凄く嬉しかったです」と満面の笑顔を見せた。

 対戦した桐光学園は堅守が特長で、特にCB諸石健太はU-18日本代表。ただ自分たちは十分に通用すると自信を持っていた。「選手権前に四中工と試合をしていたんですけど、それ(四日市中央工の浅野=広島内定、田村翔=湘南内定の2トップ)にも劣っていないと感じていたんで、絶対に破ってやろうと思っていました」という仙頭は先制ゴールを決めたのに加え、普段よりもやや下り目の位置から攻撃をコントロール。「結構相手のラインが低くくて、前のスペースが開いていた」というように中盤のスペースを活用したドリブル、パスでチャンスをつくり出した。前半3分に2トップを組む小屋松にいきなりスルーパスを通すと、後半31分には右サイドで2点目の起点に。またPAでバイシクルシュートを放つなど果敢にゴールを目指し続けた。そしてチームは3-0で快勝。負傷を抱える小屋松の分も、と守備に奮闘するなど攻守両面でチームを勝利へと導いた。

 体調不良の影響で先発を外れているDF高林幹に代わり、2回戦からキャプテンマークを巻いてきた。「ボクはキャプテンみたいなことはできないので、プレーで返したいと思っている」と身体を張り、この日後半44分から出場した主将を「戻ってきたのは雰囲気も良くなったし、良かった」と喜んだ。高林に代わり、決勝でもキャプテンマークを巻くことが有力だが、変わらず自分の役割を果たすだけだ。

 高校選手権決勝について「印象に残っているのは山梨学院の碓井(鉄平)選手(現駒澤大)です」と語った仙頭。同じく背番号7をつけていた碓井は、09年度大会決勝で左サイドから豪快な右足シュートを決めて山梨学院を初の日本一へ導いている。「あれ見てて『ボクも決めたいな』という気持ちは凄くありました。(自身も決勝へ進出したため)あとはやるだけですね」。背番号7が決勝でも先制点、日本一へのゴールを叩き出す。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 吉田太郎)

【特設】高校選手権2012
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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