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[MOM755]前橋育英MF上田慧亮(新3年)_技巧派揃う前育にアクセント加えたドリブラー

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[3.26 マリノスカップ 前橋育英4-3桐光学園 小机]

 ボールを持てば果敢にドリブル突破を繰り返していた背番号7が、技巧派揃う前橋育英のパスサッカーのアクセントになっていた。MF上田慧亮(新3年)は横浜FMジュニアユース出身のアタッカー。「(マリノスカップでの“凱旋”に)知り合いがコーチ陣にも多いので。見せてやろうとは思っていますね」という上田慧は、右サイドからの鋭い仕掛けで桐光学園の守備に穴をあけると、後半22分には左サイドでの1対1からわずかにマークを外して上げたピンポイントクロスがSB香川一喜の勝ち越しゴールとなった。「あそこで抜いてもシュートまで行けないな、と思った。縦へ行ってすぐにセンタリングすれば、中に誰かいるだろうと思っていたので上げました」という技ありのクロスが、チームに貴重なゴールをもたらした。
 
 1対1は決して得意ではないという。それでも「中にドリブルしていったら、自然と抜けちゃう感じで、だから自分の持ち味は出せたと思います」というMFは何度もドリブルで仕掛けると、独力でDFに穴を開けてシュートへ持ち込んだ。そして勝ち越しゴールをアシストしたが、後半37分に放ったドリブルシュートやその直後に放った決定的なヘディングシュートは相手GKの好守などにあい、無得点。本人も「去年から全然点取れていなくて、それをずっと課題でやってきたので、出していける1年にしたいです」と意気込んだ。

 今年の前橋育英は下級生時から経験を積んだ選手が多く、全国上位での活躍が期待できる陣容。その中でチームのアクセントとなっているドリブラーは「(チームには)ドリブルのキャラの人があまりいないので、自分がドリブルのキャラになる。2コ上に白石(智之、現法政大)さんという(エース番号)14番の先輩がいたんですけど、あの人はドリブルが上手かった。(前橋育英の)パスサッカーの中にもドリブルが入れば、もっと良いサッカーができると思う。そのような選手になれればいいかなと思います」と誓った。

 自身にとってのヒーローは漫画の世界にいる。それは「ファンタジスタ」(小学館)のFW坂本轍平だ。都立高校の高校生サッカー選手が創造性あふれるプレースタイルから「ファンタジスタ」と呼ばれ、日本を代表する選手に成長していくストーリー。「漫画って結構、適当じゃないですか。でもあれは、リアルな感じでその選手に憧れています。想像力が豊かで、頑張ればできるくらいのプレーをするし、(内容も)面白い」。こちらも攻撃力は魅力十分。自身は課題の得点力を向上させ、ゴールを量産して将来を切り拓く。

(取材・文 吉田太郎)

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