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[MOM771]静岡学園DF手塚朋克(3年)_悔しさバネに“脅威”となった主将

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.21 高円宮杯プレミアリーグEAST第3節 東京Vユース0-1静岡学園高 ヴェルディグラウンド]

 主将の意地がチームに大きな力を加えた。静岡学園高(静岡)の右SB手塚朋克主将(3年)は11年度全国高校総体準優勝メンバーで静岡県高校選抜にも名を連ねる注目DFのひとり。ただ、前節・青森山田高戦ではプレーに甘さが出て東京Vユース戦を控えた紅白戦では主力組から外されることもあった。

 ただ、この日は相手の鋭いプレッシャーに対しても右サイドでボールを落ち着かせると、対面のDFを外して一気にPAまで切れこむ動きを披露。特に後半はタイミングのいいオーバーラップから相手DFの背後を取って決定的なラストパスを供給した。DF陣を高評価した川口修監督が特に「相手にとって脅威だったと思う」と讃えた主将のパフォーマンス。手塚は「キャプテンがもっとしっかりしないといけない。本当に悔しかったので、今週は走りから絶対に負けないようにして、自分の力を精一杯出せるように準備してきたつもり。(きょうは)クロスも何本も上げられましたし、得点にはつながらなかったですけれど、周りに良いアピールができたと思う」と微笑んだ。

 2年前の主将で鹿島入りした右SB伊東幸敏ほどの迫力やスピードはまだないが、相手を外す突破力とスピード、運動量は注目だ。この日、リスク覚悟で相手ゴールラインまで駆け上がった右SBは決定機をつくり出す大きな武器となっていた。「修さん(川口監督)に『幸敏はそういうところでもっとクロスを上げていたよ』とか『ニアでそのクロス潰されちゃダメだよ』とか言われますし、幸敏さんのことは意識している。ボクもあそこまで速くはないですけど、スピードには自信があるし、縦に抜けるドリブルとか、あの人と違うプレーができると思っている」

 悔しさを忘れずにチームを引っ張る存在となる。「自分のプレーが落ちたら、チームのサッカーも悪くなると思う。難しい試合も続くと思うので意識してやっていきたい」。そして「リスクを犯して、追い越す力をもっとつけていかないといけない。あとサイドで持った時、(自分が)打開してシュートを打ったり、アシストしたりできればもっとチームの攻撃パターンも増やすことができる。(静岡学園には)テクニックがある人がいっぱいいる。自分はテクニックがない方なので、静学来たからにはテクニックを少しでもつけられるように、打開できるようにしていきたいです」と成長を誓った。目標の日本一のために、チームのために、自分自身のために前へ進み続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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