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[MOM774]大阪桐蔭MF久保田和音(2年)_強力攻撃陣支える技巧

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.3 プリンスリーグ関西1部第5節 大阪桐蔭高4-3野洲高 J-GREEN堺]

 昨年まで先発を3年生が占めていた大阪桐蔭だが、今年はチームで認められて先発起用されている2年生たちの奮闘も目立つ。先発の半数が2年生だったこの日は終盤に攻撃陣が爆発して野洲に4-3で逆転勝ち。中でも中盤で存在感を放つボランチ、MF久保田和音(2年)の技巧が光っていた。

 ポジショニング良くボールを受けると、絶妙なタッチで完ぺきにボールをおさめて前を向いてしまう。プレッシャーを難なくいなしてボールを運ぶことができ、運動量も多い。相手にとっては簡単に飛び込むと外されてしまう怖さがあったはずだ。それでも野洲のドリブルへの対応に苦戦した本人は不満顔。「攻撃が好きなんで、攻撃が特長かなと。守備をもっとやっていきたい。(また)まだまだパス精度低かったり、もっともっと改善していかないといけない。(きょうも)まだまだ。サイドへボールを捌けていなかったし、ボールを失うところが多かった」と全く満足をしていなかった。

 それでも勝敗の行方を大阪桐蔭に傾けたのは彼の一撃だった。2点差を追いついて迎えた後半36分、久保田は敵陣中央でボールを拾うと、右前方への動きで目の前のDFを外し、豪快な右足シュートをゴールへと突き刺した。難易度の高いプレーを難なくしてのけたMFは「ちょうど(自分の前にボールが)こぼれてきた感じやったんで。自分で持ち込んで最後はシュートまで行ったんですけど、みんながそこまでボールを持って行ってくれた」とチームメートに感謝。永野悦次郎監督も久保田のポテンシャルの高さを認めていたが、この日は捌き役としてだけでなく、試合を決めることもできる能力の高さも印象づけた。
 
 久保田は昨年、大阪府選抜として昨年の岐阜国体少年男子の部に出場。G大阪ユースとC大阪U-18のJクラブユース組が中心のチームで先発も務めて3位入賞を果たした。愛知県のFC豊橋デューミランでプレーしていた中学時代も実力の高さは評価されており、静岡県や愛知県の強豪校からの誘いもあったようだが、「桐蔭のサッカーに魅力を感じた。自分たちで組み立てていきながら攻撃も守備もできるというところで桐蔭が良かったですね」と大阪桐蔭進学を決意。今年はプリンスリーグ関西1部で全試合に先発し、中盤の一角を担っている。

 本人も自覚している通り、ミスがあり、華奢な身体。それでも今後が楽しみな2年生MFは「(理想は)何でもできる選手。パス、ドリブル、シュート、そして守備もできるようになりたい。(今年の目標は)個人的には自分がスタートで出るようにより一層練習を頑張って、チームとしては2年生が頑張って3年生を引っ張っていけるように。そしてインターハイ出場、選手権出場をやっていけるようにしたい」。貪欲に成長してよりチームの勝利に貢献できる選手になる。

(取材・文 吉田太郎)

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