beacon

[MOM776]前橋育英FW小口大司(3年)_自信持つ速さと強烈ヘッドで2発

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.19 プリンスリーグ関東1部第1節 横浜FMユース0-4前橋育英高 小机]

 前橋育英(群馬)は悔しさをバネに成長してきた10番FW小口大司(3年)が2得点の活躍。エースストライカーの役割を果たしてチームに勝ち点3をもたらした。

 小口は0-0の後半5分、左サイドで縦パスを受けると、絶妙なコントロールから一気にトップスピードでPAまでボールを運ぶ。そしてカバーに入ったDFを中央へ切れ込む動きで外すと、そのまま右足シュートをゴールヘ流し込んだ。さらに後半30分には「どんな相手でも裏を狙い続けることと、ヘディングで負けないことは試合中に意識しているので、どんな相手もやり続けたいと思います」という「もうひとつの武器」ヘディングの強さで2点目をもたらした。

 MF上田慧亮(3年)の右クロスに対し、DFの前に入った10番は打点の高いヘディングシュートでゴールヘ叩き込む。「中学校から自信を持っていて、監督から『絶対に負けちゃいけない』と言われているし、絶対に負けたらいけないという気持ちが出てきている」というヘッドがチームの2点目となった。

 昨年の高校選手権群馬県大会で4試合連続ゴールを決めて名門を全国へ導いたストライカー。この日も得点力を発揮したが、前線で見せる献身的な姿勢、動きも見逃すことはできない。「自分は上手くて出れている訳ではない。ヘディングだったり、相手のDFのボールをスライディングでカットしたり、他の人ができないプレーを出し続けないと出れないと思う。何としてもやり続けていきたい」という高い意識がチームの活力になっている。

 そのFWは悔しさを糧に成長してきた。高校1年時は入学直後ながらも高校総体予選のメンバーに入り、選手権予選決勝も出場するなど経験を積んだ。だが、2年時の高校総体予選では選手層の厚いチームの中でメンバー外に。これが成長の糧になった。「凄いショックだった」というBチーム降格。ただコーチに気持ちを盛り上げてもらい、練習に取り組む中で自分が何をすべきなのかがはっきりとした。「技術どうこうでなくて、『オマエはガンガン行け』と言われる。上手いじゃなくて、身体を張ったプレーや人がなかなかできないプレーを自分がやらないといけないと思います」。

 これが昨年の選手権予選での爆発につながった。現在も自分がやるべきことをやらなければ、すぐに代えられてしまうという意識で戦っている。だからこそ、この日の2ゴールにも全く満足することなく、“上州の虎”前橋育英の10番は次の試合でもまた全力で自分の役割を全うする。

(取材・文 吉田太郎)
▼関連リンク
2013 プリンスリーグ
2013 プリンスリーグ関東1部

TOP