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[MOM787]東海大高輪台MF伊藤竜之介(3年)_“派手さ”と状況応じた動き魅力の10番

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[6.8 全国高校総体東京都予選決勝T1回戦 東京実0-1東海大高輪台 駒沢補助]

 “派手な”プレーをする一方で、状況判断に優れ、苦しい状況でチームを落ち着かせることもできる。2つの顔を見せたナンバー10が東海大高輪台の勝利の立て役者だった。左MFとして先発したMF伊藤竜之介(3年)は前半、鮮やかなターンやダイアゴナルにスペースを突くドリブルで存在感を発揮。ゴール前の局面を個人でこじ開けてシュートへ持ち込むなど、アイディアと技術の高さを披露した。

 ただ、前半30分に攻撃のもうひとりのキーマン、MF荒川真作が負傷交代するとポジションをボランチへ移して攻守の安定を図る。アタッキングソーンで見せるプレーとは違う、シンプルに周囲を活かすパスや動きでチームにいい流れをもたらしていた。

 川島純一監督も「最近はボランチ、FW、両サイドと相手によってどこでもやらせられる選手になった」と状況に応じてプレーを変化させる10番に信頼を置く。この日、チームは普段よりも相手にボールを持たれる時間帯が長かったが、伊藤は守備で要所を抑えつつ、攻撃の最後の部分に関わってフィニッシャーとしてゴールマウス直撃の決定的なシュートを放つなど相手にとって嫌な存在であり続けた。

「味方を活かして最後自分がゴールに絡む」動きが特長。「Tリーグ(東京都リーグ)では上を目指してプリンスリーグに上げたいですし、選手権、インターハイで全国へ出ることが目標」というMFは多彩なプレースタイルでチームを目標とする舞台へ引き上げられるか。「自分ではたいて、ゴール前で関わる」共通点を持つMF清武弘嗣やMFイニエスタのような選手が理想。この日のプレーについては「攻撃の部分では上手く行ったけれど、体力的な部分は物足りない」と首を振ったが、あと2勝して全国切符を手にするために次戦以降は試合を決定づける“仕事”含めてより高いレベルのプレーをする。 

(取材・文 吉田太郎)
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