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[MOM934]広島皆実MF高岡大翼(3年)_快勝導く献身的プレー!!

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 広島皆実3-0丸岡 駒沢]

 丸岡の小阪康弘監督は戦前「キーマンは高岡君。そこをケアしないといけないと思っていた」と語る。広島皆実MF高岡大翼(3年)は、チームのアンカーを担い、キャプテンでもある。「堅守強攻」を標榜する広島皆実だが、求められるプレーの質は高い。

 まずはきっちりした守備から入る。そこから攻守の切り替え速く攻め上がる。いちはやくスペースを見出す視野の広さ、ピッチを行き来する体力、連動性も求められるため、数ある選択肢から瞬時に正しいものをチョイスする判断力も必要だ。ルーズボールのカバー、ポジショニング……。これらのスキルを全て持っているといっていいのが高岡だ。

「アンカーなので、低い位置にいることが多いです。まずは相手FWへ入ってくるパスを切るのが仕事」と本人は言う。広島皆実のフォーメーションは4-3-3だが、細分化すると4-1-2-3となる。この「1」にあたるのが高岡のポジションだ。本人の言葉によると「2」に当たる部分が「フロントボランチ」。MF亀井政孝(3年)とMF重廣卓也(3年)が位置し、主に攻撃を担当し、セカンドボール対応にもあたる。

 しかし、実際の試合になるとあらゆる局面でボールに絡む高岡の姿がある。それこそ最終ラインから両サイドまで、ところせましとピッチを駆け回る。チーム3得点と0失点。この攻守の結果を導いたのは、ひとえに高岡の存在が大きい。「チームのバランスをとる役でもあり、攻守の中心ともいえるポジションですから。相手が自分に食いついてきたときに前へ一歩出る。または、試合が慣れてきた時間帯に自分が前に出ればチャンスになるということはこれまでの試合経験で学びました。あと、中にいすぎるとマークが強くなるので、フロントボランチと自分の3枚でぐるぐる回りながらポジションを変えることもあります」。

 特に驚かされるのがポジショニングだ。要所要所で彼の姿が現れる。だが、その局面に急行しているわけで決してはない。試合の流れに自然と乗っている、もしくは、展開を読んで先手を打っている。だから動きにまったくといっていいほど無駄がない。「細かいところでキレはなかったですが、ブレないものがある」と、藤井潔監督も信頼を寄せる。守りと攻め、そして攻めと守り。この両面を一人で連動させ、潤滑油となっている高岡大翼は「堅守強攻2013」の象徴といえる。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 伊藤亮)

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