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田中裕が古巣相手にプロ初の2発、川崎Fが2点差追いつきドロー

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[8.18 J1第22節 横浜FM2-2川崎F 日産ス]

 J1第22節は18日、各地で9試合を行い、日産スタジアムでは横浜F・マリノス川崎フロンターレが対戦し、2-2で引き分けた。横浜FMは前半11分、34分とFWマルキーニョスが連続ゴール。2点を先行された川崎Fだが、後半17分にDF田中裕介のゴールで1点差に追い上げると、同40分に再び田中裕がゴールを決め、引き分けに持ち込んだ。

 横浜FMは前節・新潟戦(3-2)と同じ先発メンバー。ロンドン五輪代表のMF齋藤学はベンチスタートとなった。
 川崎Fは前節・鳥栖戦(1-2)から先発2人を変更。DF福森晃斗が7試合ぶりに先発し、左SBに入り、MF稲本潤一も2試合ぶりの先発となった。左SBで3試合連続先発中だった山越享太郎が3トップの左にポジションを上げ、ボランチは稲本とMF風間宏希。トップ下がMF中村憲剛で、3トップが右からFW大島僚太、FW風間宏矢、山越となった。
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 立ち上がりから出足よく試合に入った横浜FMが試合の主導権を握った。高い位置からプレッシャーをかけ、川崎Fを自陣に押し込む。すると前半11分、川崎FはGK西部洋平から右サイドに開いたDF實藤友紀につなぐが、實藤が横に流したパスをFW大黒将志がカット。素早くゴール前にクロスボールを入れ、マルキーニョスが頭で押し込んだ。

 相手のミスを突いたマルキーニョスの2戦連発となるゴールで先制した横浜FMはその後もリズムよく試合を進める。川崎Fはなかなか反撃の糸口を見つけられず、前半27分のMF中村憲剛の直接FKもGKにキャッチされた。横浜FMは前半34分、中央から中村がMF小野裕二とのワンツーで駆け上がり、PA内左に進入。左足のクロスにファーサイドのマルキーニョスが頭で合わせ、ゴール左隅に流し込む技ありヘッドで追加点を奪った。

 2点ビハインドとなった川崎Fはようやく攻撃にエンジンがかかり、徐々にチャンスをつくり出す。前半38分、田中裕のクロスからPA内で粘った風間希が後方に戻し、大島が右足でシュート。同41分には風間希が中央をドリブルで持ち上がり、ミドルシュートを狙った。さらに同45分、風間矢、中村、大島と細かくつなぎ、最後はPA内に走り込んだ風間矢が右足で狙う。しかし、いずれもフィニッシュの精度を欠き、枠を捉えることはできなかった。

 0-2で折り返した後半開始から川崎Fは稲本に代えてFW小林悠を投入。小林は3トップの中央に入り、風間矢がトップ下、中村がボランチにそれぞれポジションを下げた。まずは1点を返すべく、攻勢を強めていく川崎F。後半16分には福森に代わってMF楠神順平がピッチに入った。すると同17分、中村の右CKからニアサイドに走り込んだ田中裕がヘディングシュート。逆サイドのサイドネットに流し込み、1-2と1点差に迫った。

 追い上げモードの川崎Fだが、後半26分、實藤が腰を痛め、負傷交代するアクシデント。代わって長期離脱していたDFジェシが出場し、4月14日のG大阪戦(2-3)以来、4か月ぶりの復帰を果たした。勢いに乗る川崎Fの反撃が続く。後半33分には中村からのスルーパスに反応した風間矢がPA内に進入。鋭い切り返しでDF中澤佑二をかわすと、左足でシュートも狙えたが、前に出てきたGKをよけるように横パス。ゴール前の小林が右足でゴールネットを揺らしたが、オフサイドの反則を取られた。

 微妙な判定で“幻の同点弾”となったが、気持ちを切り替え、もう一度同点ゴールを目指す。すると後半40分、中盤で相手のパスをインターセプトした田中裕がそのまま自ら持ち上がり、左足を一閃。豪快なミドルシュートをゴール右隅にねじ込んだ。10年まで所属していた古巣相手に田中裕がプロ初となる1試合2得点。土壇場で2-2の同点に追いついた。

 横浜FMは後半43分、DF小林祐三と大黒をベンチに下げ、谷口と齋藤を投入。ロンドン帰りの齋藤が久々のJリーグ出場となったが、勝ち越しゴールは奪えず。ロスタイムの6分間でも決着はつかず、2-2のドローで勝ち点1を分け合った。

(取材・文 西山紘平)

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