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18歳5か月のMF石毛がJ1初ゴール!清水のリーグ戦最年少ゴール記録更新!

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[3.2 J1第1節 大宮2-2清水 NACK]

 注目の18歳MF石毛秀樹清水エスパルスのリーグ戦最年少ゴール記録を更新した。11年のアジア年間最優秀ユースプレーヤーで、12年はナビスコ杯ニューヒーロー賞受賞、そして今年の年始にはマンチェスター・C(イングランド)に練習参加していた注目MF石毛は4-3-3システムの右FWとして先発。前半33分に放った決定的なヘディングシュートがGK正面を突き、後半12分に右中間から放った右足ミドルがクロスバーを叩くなど、“予感”をさせながらも得点することができなかった。

 それでも躍動していたアタッカーに歓喜の瞬間が訪れる。0-1の後半29分、抜け出したFW瀬沼優司のシュートのこぼれ球を右足で詰めてJ1初ゴール。「詰めただけ。簡単なシュートだったので。チームのみんなのおかげ」と喜びは控えめだったが、現在18歳5か月の石毛は元日本代表DF市川大祐(現在藤枝MYFC)が98年に記録した18歳6か月を約1か月更新する最年少弾でチームを勢いづけた。

 そして後半39分にはカウンターから鋭いドリブルで仕掛けた石毛の獲得したFKから同点ゴールが生まれた。昨年4月22日のG大阪戦でのJ1デビューからまだ17試合目。だが、特に後半はグイグイと前に出るドリブルがチームに推進力をもたらし、そしてゴールも決めて2点ビハインドを追いつく原動力となった。

 この日は級友たちへの思いもピッチでぶつけた。石毛は昨日1日、午前練習後に清水西高(静岡)の卒業式後のホームルームに参加する予定だった。だが、2月28日に警視庁のホームページに神奈川県相模原市や静岡市などの高校への「襲撃予告」が書き込まれる事件が起こったため、卒業式は1日午前から1日午後へ変更。午後に大宮戦へ向けて移動することが決まっていた石毛は、卒業式開始直前までは級友とともに過ごすことができたものの、ひとり先に仲間たちの元を後にした。

 その中で迎ええた開幕戦でのJ1初ゴール。「(前日は)本当最後だったので『ありがとう』と言われてウルッと来ましたね。仲良いサッカー部のヤツとかから『頑張れよ』と言われていたので、きょう取れて良かったと思います」。18歳のJリーガーは“ふつう”の卒業式を送ることはできなかった。それでも3年間をともに過ごした級友たちにあきらめないプレーとゴールで強烈なメッセージを送った。「負けなかったことは良かったことだと思う。次は(ホームの)サポーターの前で点を獲りたい」。クラブの歴史を塗り替えた注目の18歳は、これからさらにピッチ上で輝きを放ち、同級生やサポーターを勇気づける。

(取材・文 吉田太郎)

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