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大学サッカーからJで飛躍を!インカレMVP富山と瀬沼、ユニバ金メダリストのストライカー2人が開幕戦で激突

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[3.2 J1第1節 大宮2-2清水 NACK]

 大学サッカー界を牽引してきた2人のストライカーがJ1開幕戦で激突した。筑波大から清水エスパルス入りしたFW瀬沼優司は0-2の後半25分から、早稲田大から大宮アルディージャへ加入したFW富山貴光は1点差となった後半35分からピッチへ。ともに無得点に終わったものの、見せ場をつくり、次戦以降へ期待を抱かせた。

 瀬沼は昨年、清水の特別指定選手としてすでにJの舞台を経験済み。デビュー戦だった8月のナビスコ杯名古屋戦でいきなり初得点を挙げると、9月のJ1仙台戦でもデビュー戦ゴールを決めている。この日は2点を追う展開で投入されると、高さと裏への飛び出しで流れを変える存在となった。29分にはFWバレーが頭で流したボールで抜け出し決定的なシュート。これは止められたものの、こぼれ球に反応したMF石毛秀樹がJ1初ゴールを記録した。

 得点には絡んだものの、2-2の同点に追いついた後の試合終了間際には、立て続けに決定機を迎えながら決めることができなかった。チャンスには再三絡んでいただけに無得点に終わった結果について「点が欲しかったので悔しいです。何度かいい形で迎えられていたのに、ミスしてしまった。チームを勝たせるようにしたい」と唇を噛んでいた。

 一方の富山も無得点に「もうちょっとボールを触って、ドリブルだったり自分の強みをもっともっと出したかった」と首を振っていた。1月の全日本大学選手権でMVPを獲得し、早稲田大を5年ぶりの日本一へ導いた注目ストライカーは、矢板中央高(栃木)時代に仙台の特別指定選手となっていたが、この日がJ1デビュー戦。相手DFの股間を通す突破からPAわずかに外側の位置でFKを得るなど個人技も見せたが、シュートゼロは本人にとっては不満だった。

 開幕前の練習試合では富山戦で初ゴールを決めると、徳島、水戸からもゴールを奪うなど、評価を高めた富山は開幕戦から出場機会を得た。それでも目標は二桁得点。「(ここまでは)結果を残してきている。早く公式戦で点を決めないと、これまでの過程の意味がなくなってしまう。結果にこだわって、もっともっとやっていかないといけない。(大宮サポーターは)凄い熱い応援で気持ち良かったですし、こういう大舞台で点を獲りたいなと改めて思った」と気を引き締めた。

 大学時代はともに全日本大学選抜として出場した11年ユニバーシアードで金メダルを獲得。世界一を経験し、関東リーグ戦ではそれぞれ名門の前線の柱としてチームの勝利に貢献してきた。富山が瀬沼について「選抜とか、リーグ戦でやりあった仲なのでいいライバルでありたいですし、結果を残して上に行けたらいい」と話すなどともに「負けたくない」という思いを口にした2人。大学サッカーを代表する存在から、新たな舞台でも、同じFWとして負けないように輝きを放つつもりだ。

(取材・文 吉田太郎)

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