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内村劇的V弾!財前新監督の札幌がアウェーで千葉撃破!

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[3.3 J2第1節 千葉0-1札幌 フクアリ]

 3日、2013年のJ2が開幕した。フクダ電子アリーナ(千葉)で行われたジェフユナイテッド千葉対コンサドーレ札幌戦は後半アディショナルタイムにFW内村圭宏が決めた決勝ゴールによって札幌が1-0で勝った。

 ともに新監督を迎えた両チームの開幕戦は札幌が劇的勝利をおさめた。昨季J2で5位、プレーオフ決勝で敗れて4年目のJ2を戦う千葉は今季、山形、新潟、大宮で指揮を執った経歴を持つ鈴木淳監督を招聘。新外国人選手3人をスタメン起用した4-4-2システムのGKは岡本昌弘、4バックは右から高橋峻希竹内彬山口智キム・ヒョヌン。中盤は兵働昭弘佐藤勇人のダブルボランチで右MF米倉恒貴、左MFジャイール。2トップには谷澤達也ケンペスが入った。

 一方、昨季4勝2分28敗の成績でJ1最下位、1年でのJ1復帰を目指す札幌はクラブOBの財前恵一新監督が初めてJの舞台で指揮を執る。その初戦は札幌U-18出身のルーキー、神田夢実が左MFに入ったほか、東洋大から新加入の松本怜大が左SBとして先発。4-4-2システムのGKは杉山哲で4バックは右からこちらも新加入のチョ・ソンジン櫛引一紀奈良竜樹、松本。中盤は河合竜二上里一将のダブルボランチで2列目は右が古田寛幸で左が神田。2トップには内村とテレが配置された。

 3分に札幌の神田がオープニングシュートを放って幕を開けた一戦は、千葉がボールを支配して時間を進める。札幌は球際こそ厳しかったものの、序盤やや落ち着きがなく、判断ミスや個人プレーでボールを失う場面が目立った。それでも相手にPAへ入り込ませることなく立ち上がりを凌ぐと、15分にはカウンターから左オープンスペースへ飛び出した内村が中央へ切れ込んで決定的な右足シュート。鋭くニアサイドのゴールを捉えたシュートは千葉GK岡本に右手ワンハンドで阻まれたが、その後も古田の仕掛けなどからゴールへ迫った。

 奈良と櫛引の両CB中心に中央で隙を見せない札幌に対して千葉は高いキープ力を見せる左SHジャイール、再三スペースへ飛び出した右SB高橋の両翼を有効に使いながら相手にプレッシャーをかけていく。19分には右サイドから逆サイドのジャイールへ展開し、切れ込んだジャイールが強烈な右足シュート。31分には右中間から高橋が放った右足シュートがゴールを襲った。そして42分には右サイドを切れ込んだ高橋のクロスに決定的な形で谷澤らが飛び込む。ただ、スコアは動かずに0-0で前半を終えた。
 
 後半立ち上がりはボールサイドでの激しい攻防戦。その中で千葉は9分、縦パスで抜け出したケンペスがPAから強烈な左足シュートを放ち、11分には兵働の右FKをジャイールが頭で合わせる。さらに16分にはカウンターから高橋が一気にPAまでボールを運び、最後は左中間から縦に仕掛けたジャイールが決定的な左足シュートへ持ち込んだ。札幌も神田のスルーパスから古田が左サイドをえぐるなどサポーターを沸かせる場面をつくった。

 先に交代カードを切ったのは千葉。18分、ケンペスに代えて新加入のMFナム・スンウを投入する。一方の札幌は20分過ぎから神田、テレに代えてMF岡本賢明とFW前田俊介を相次いでピッチへ送り出す。互いにオープンスペースを狙いあうなど試合のテンポが急速に上がった終盤、千葉は29分にショートカウンターから米倉がヘディングシュート。札幌は34分に右サイドゴールライン際でボールを持った内村から中央でフリーの前田へラストパスが通るが、シュートはヒットせずに得点することができない。

 41分、札幌は古田に代えてMF砂川誠を投入。そしてアディショナルタイム突入後の46分、ついにスコアが動く。札幌はカウンターから右サイドへ展開すると、砂川がPAへ送ったボールに反応した内村が強烈な右足シュートをゴールへ突き刺した。控え選手もゴール裏へ駆け寄って喜びを爆発する札幌に対して千葉はFW深井正樹とMF佐藤健太郎を同時投入したものの、シュートへ持ち込むことができないまま試合終了。アウェーの札幌が劇的な一撃で勝ち点3を獲得した。

(取材・文 吉田太郎)

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