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開幕スタメン抜擢のDF松本&MF神田、札幌はルーキー2人も勝利貢献

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[3.3 J2第1節 千葉0-1札幌 フクアリ]

 コンサドーレ札幌は札幌U-18、東洋大出身の左SB松本怜大と、昨年札幌U-18の10番を背負った左MF神田夢実のルーキー2人が開幕戦で先発した。松本は対人の強さと正確なサイドチェンジを披露するなどフル出場で完封勝利に貢献し、66分間のプレーとなった神田もカウンターからFW内村圭宏へ素晴らしいパスを通したほか、チームのファーストシュートを放つなど積極的にゴールを狙った。財前恵一監督は「緊張とかもあって、前半は厳しいかなというところもあったんですけども、全体通して言うと、よくやってくれたと思います」と讃えていたが、「もうちょっとやってくれるとは正直思っていました」と引き締めることも忘れなかった。

 札幌U-18から東洋大を関東大学1部リーグへ初昇格させた4年間を経て札幌に“復帰”した松本にとっては、待望のJデビュー戦。「ずっとこの舞台に立つことが夢だった。スタートを切ったという感じです」と語った松本は「勝ったことは自信になりましたし、まだまだですけど、次につながる試合になったと思います」と白星デビューした試合を喜んだ。

 ただ、即戦力として期待されるだけに本人の意識は高い。札幌OBの東洋大・古川毅監督から「日々の練習を大事にしろ、と。ここがゴールじゃないし、スタートラインに立っただけということは言われました」とアドバイスを受けたというDFは、デビュー戦について「チャンスになった時の動き出しや判断がまだだなと思った。(また)まだまだ寄せが甘かったり、クロスを上げられたりしている。また1週間で改善していかないといけない」と次戦へ向けて切り替えていた。

 一方の神田も満足はしていなかった。「ある程度のプレーはできたと思うんですけど、そこからもっとできないと。プレーとしては全然満足していないです。もっと顔を出すというか、ボールを受ける回数が少なかったです。(あと)得点が取りたかった」。キャンプでの動きを評価され、札幌U-18から昇格した6人の中でいち早くJデビュー。ただし「キャンプでコンスタントに結果が出たことが開幕戦のスタメンの要因だと思うんですけど、シーズン長いので、これから1年通して活躍できるかが大事だと思う」と次を見据える。

 札幌U-18の一員として出場した昨年のJユースカップでは、これまであらゆる世代で全国制覇のなかった北海道勢に、初の日本一をもたらした。歴史を変えたチームで10番を背負ったMFは「いずれは(トップチームの)10番背負いたいという気持ちは昔からあります」と意気込む。この日デビューした2人は1年目から、周囲に認められる結果を残し、札幌にとって欠かせない存在となる。

(取材・文 吉田太郎)

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