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決勝点の大宮FWズラタン「もっとも重要なのは無敗記録ではない」

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[4.20 J1第7節 大宮1-0浦和 NACK]

 快進撃を支える大宮アルディージャの支柱といえるだろう。リーグ戦3試合連続となるゴールを挙げ、ダービーの勝利を呼んだFWズラタンのことだ。大宮は浦和に対して1対1になる場面をつくっていた。MF富山貴光は「1対1には負けない自信があるので。特に前の方は」と話す。

「2人ともボールキープできるので、できるだけ簡単に入れるように意識した」と富山が言うように、後方から厳しいパスが来ても、ズラタンとFWノヴァコヴィッチの2トップは、ボールを収めて全体が押し上げる時間をつくり出した。数的同数であれば、互角に戦えるという意識があるからこそ、前半ロスタイムの隙を逃さなかった。

「チャンスだなと思いました」と言うように、DF那須大亮が負傷してピッチを離れていた時間に、大宮は決勝ゴールを決めた。数的優位の状況、そして3バックの中央を務める守備の要不在によって生じた混乱を逃さなかった。

 決勝点を挙げたズラタンは「自分のゴールよりも、チームが勝てたことが嬉しい。今日の勝利はチーム全員で戦い抜いた結果、得た勝利。全員を褒め称えたいと思います。浦和は非常にクオリティの高い相手だった。アグレッシブに、普段通りの戦いができたことが勝因だと思う」と喜んだ。

 無敗同士の『さいたま決戦』を制し、大宮が無敗を維持した。この結果、18試合連続無敗のリーグ新記録を樹立したが、ズラタンは記録よりも大事なことがあると強調する。

「もちろん意味のあることだと思うよ。ただ、それが最も重要なことではない。最も重要なことは、リーグが終わったときに、今のような順位にいること。そのためにも、この記録を伸ばすことができれば嬉しい。当然、次の試合も負けたくないし、できるだけ記録は伸ばせたらいいね」

 MF青木拓矢は「この勝利は自信になる」と語ったが、ズラタンも試合をこなすごとに、チームが成長していることを感じているという。

「今は試合を重ねるごとに自信もついているし、目の前の試合に集中できている。今後も、上位にいることができると僕は信じているし、それだけの質もあると思う」。

 リーグ戦4連勝を記録した大宮の勢いは、まだまだ続きそうだ。

(取材・文 河合拓)

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