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公式戦7試合勝ちなし…鳥栖は昨季の勢いを取り戻せるか

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[4.20 J1第7節 鳥栖0-3柏 ベアスタ]

「点差ほどのダメージはない」。0-3で敗れたサガン鳥栖のFW豊田陽平はミックスゾーンで気丈に語ったが、公式戦4試合連続の完封負けのダメージの大きさは想像に難くない。攻撃の中心を担う豊田にとっては、悔しい結果が続いている。

「ここ2試合に比べて球際で戦えていたし、前半は前からプレスがかかっていて流れが良かった」と主将のMF藤田直之が言うように、手も足も出なかったわけではない。しかし、押し込んでいた時間に先制できず、逆に柏レイソルに最初のチャンスをものにされてしまう。

 失点後も鳥栖は気落ちすることなく攻勢に出た。前半のシュート数は8対2。柏の4倍ものシュートを放ったが、焦りからかシュートが枠に行かずゴールは遠かった。後半に入っても無得点状態が続くと、チームは失速。柏に追加点を献上してしまった。

 順位を2つ下げて15位に後退した鳥栖だが、気落ちしている時間はない。水曜日にはホームでのナビスコ杯新潟戦が待っている。「ビハインドから挽回するチーム力をつけていかなければならない」と藤田が課題を口にすれば、「苦しい時期にいるけど、跳ね返すか、下を向くかで今後が変わる。死に物狂いでやっていくしかない」とGK赤星拓は前を向く。

 公式戦7試合勝ちなしの中でも、温かい拍手を送った鳥栖サポーター。「選手たちは前向きに取り組んでいる」と尹晶煥監督は言うが、昨シーズンのような“自信”はチームから感じ取ることはできなかった。J1初参戦にして5位に躍進し、“鳥栖旋風”を巻き起こしたチーム力は本物か。その真価が問われている。

(取材・文 奥山典幸)

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