beacon

同点ゴールの千葉DF山口「ハンドじゃないですよ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[4.21 J2第10節 千葉1-1福岡 フクアリ]

 後半アディショナルタイムも残すところ約1分となった48分だった。1点を追うジェフユナイテッド千葉は、右サイドのMF田中佑昌がフワリとしたクロスを上げる。すると、逆サイドからゴール前へ一気に駆け込んだのがDF山口智だった。

 左手が伸びた? GKと交錯? 記録は山口のヘディングゴール。土壇場で同点に追いつかれたアビスパ福岡のマリヤン・プシュニク監督が「ハンド」をアピールして退席処分となった微妙なシーンを、山口はこう解説した。
  
 「飛び込めば何かが起こると信じて、GKの前に入ったらボールがこぼれた。ラッキーだった。GKに当たるとキーパーチャージになると思ったので、ぶつからないように、それは気をつけた。相手のミスだったので、あれほどアピールされても…。ハンドとも言われたけど、ハンドじゃないですよ」

 疑惑でも何でもない。ゴール後に喜びを爆発させなかったのは、同点としたに過ぎないから。むしろ、同点後に訪れたチャンスで決められなかったことに悔しさを感じていた。

 チームは3試合ぶりの得点で勝ち点1をもぎ取ったが、3試合勝利なしだ。試合全般を振り返れば、消極的なプレー姿勢が随所に響き、守ることは出来てもチャンスを作れない。リズムをつかめないまま、一瞬のミスで先に失点したことの方が問題であると言える。

 鈴木淳監督が「大事にいきすぎて勢いをなくしている。前半は有効な攻撃ができなかった」と述べたことについて佐藤勇人は「その通り。得点が取れていない。チーム全員が責任を持ってピッチに立ち、もっとお互いに要求していくことが必要」と言う。

 パスのズレや、シュートコースがあるにもかかわらず切り返してチャンスを失うなど、相手に無関係なミスが目立つジレンマが千葉を支配している。10試合を終えて勝ち点14で10位。ラッキーもあったが、「最後まであきらめない姿勢」(鈴木監督)があってこそ得られた勝ち点1を、上昇のきっかけとしたい。

(取材・文 矢内由美子)

TOP