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「勉強になった」 この日は高原に完敗も、日本期待のCB岩波は成長を続ける

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[5.12 J2第14節 東京V2-1神戸 国立]

 国立競技場で東京Vと対戦した首位のヴィッセル神戸は、1-2で敗れ今季2敗目を喫した。FW高原直泰に許した2ゴールのいずれもに絡んだ1年目DF岩波拓也にとっては、悔しさだけが残る結果となってしまった。

 まずは前半18分の場面。高原の強引なドリブル突破からPA内に侵入を許すと、たまらず足をだしてしまう。結果はPK。これを高原に難なく決められ、先制を許す形となった。「前半の早い時間帯での失点でプランが崩れてしまった」。さらにロスタイムには背後にいた高原のマークを外してしまい、決勝点を奪われた。「もう1人、前に選手がいたのでポジション取りに迷いが出てしまった」と唇を噛んだ。

 15歳年上のベテランストライカーについては、「1回対戦したことがあるのですが、その時よりも状態が良かった。ポストプレーもそうですが、ヘディングもすごい強くて、競る場面はあまりありませんでしたが、すごい嫌なFWだなと感じた。すごく勉強になったけど、やられてしまったので悔しさがすごくあります」と脱帽するしかなかった。

 この日は厚い壁に跳ね返された岩波だが、日本期待のCBであることには変わりはない。2011年にメキシコで行われたU-17W杯で日本代表の不動のCBとして活躍。チームを8強に導くと、その年の9月よりトップチームに2種登録。昨年、J1デビューを果たすと、昇格を果たした今季はここまで14試合フル出場を続けている。前節行われた「阪神ダービー」では、J屈指の攻撃力を誇るG大阪を完封。「前節のG大阪戦でレアンドロと対戦して、0に抑えることができたのはすごく自信にもなったし、成長を実感できる試合だった。今年は球際の部分であったり、1対1の強化を重視しています。そんな中でレアンドロとの対戦はいい機会だったし、0に抑えることができたのは理想的でした」。スポンジのように吸収できる今、1戦1戦が着実に岩波の成長の糧となっている。

 海外リーグも注目する逸材。現に昨年、岩波はオランダの名門PSVの練習に参加した。だが今の目標は神戸の「J1昇格」。「自分がもっと仕事をしないといけない」。最後は自分に言い聞かせるように話していた。

(取材・文 児玉幸洋)

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