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“ジーコ御前試合”で鹿島が3発逆転、名古屋は泥沼4連敗

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[5.18 J1第12節 鹿島3-1名古屋 カシマ]

 J1第12節は18日、各地で9試合を行い、カシマスタジアムでは鹿島アントラーズ名古屋グランパスに3-1で逆転勝ちした。名古屋は前半24分、MF小川佳純のゴールで先制したが、鹿島も同40分にMF遠藤康が同点弾。後半21分に途中出場のMF中村充孝が移籍後初ゴールを決めて逆転すると、後半ロスタイムにはFW大迫勇也がバースデーゴールでダメを押した。

 FWダヴィが出場停止の鹿島は大迫を1トップに置いた4-2-3-1にシステムを変更した。FWジュニーニョも欠場し、2列目は右から遠藤、MF本山雅志、MF野沢拓也。遠藤は7試合ぶり、本山は2試合ぶりの先発となった。3連敗中の名古屋は前節・横浜FM戦(1-2)と同じ先発メンバーで臨んだ。
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 20年前の1993年5月16日にカシマスタジアムで行われたJリーグ開幕第1節と同一カードとなった一戦には、当時の名古屋戦でJリーグ初のハットトリックを達成した鹿島OBで元日本代表監督のジーコ氏も来場。試合前にはクラブから「第1号ハットトリック賞」の授与セレモニーが行われ、鹿島サポーターから大きな「ジーココール」も浴びたジーコ氏は両チームの選手一人ひとりと握手をかわして激励した。

 “御前試合”で負けられない鹿島は前半12分、DF西大伍の右サイドからのアーリークロスに大迫が飛び込んだが、至近距離からのヘディングシュートはGK楢崎正剛が好セーブ。同15分にはMF小笠原満男の縦パスを本山が落とし、大迫が左足を振り抜いたが、DF田中マルクス闘莉王が体を張ってブロックした。

 鹿島は前半17分にもDF中田浩二の左クロスを大迫がヘディングで折り返し、遠藤が落としたボールをMF柴崎岳が右足ミドルで狙ったが、ゴール上へ。立ち上がりの好機を生かせずにいると、逆に名古屋が少ないチャンスをものにした。前半24分、右サイドのスペースに飛び出したDF田中隼磨がクロス。ファーサイドまで抜けてきたボールを小川が左足ダイレクトで合わせ、ゴールネットを揺らした。

 先制点を許した鹿島は反撃に出るが、なかなか決定機をつくれず、攻めあぐねる時間が続いた。それでも前半40分、小笠原の縦パスをバイタルエリアで受けた遠藤が素早く前を向き、闘莉王を縦にかわす。小刻みなステップでボールを運び、PA手前から左足を振り抜き、同点ゴールを叩き込んだ。

 試合は1-1のままこう着状態となり、先に動いたのは鹿島。後半18分、本山に代えてMF中村充孝を投入し、中村が左サイドに入って野沢がトップ下にポジションを移した。この交代策がズバリ的中した。直後の後半21分、中盤でボールを奪った柴崎がドリブルで中央突破。絶妙なスルーパスに抜け出した中村がGKの動きをよく見て、右足で流し込んだ。

 今季、京都から加入した中村の移籍後初ゴールが勝ち越し弾。鹿島が2-1と逆転に成功した。追う立場となった名古屋は後半27分、MF田口泰士に代えてMF矢野貴章を投入。同37分にはMFダニルソンに代わってMFヤキモフスキー、40分にはFW玉田圭司に代わってMF田鍋陵太が入り、2列目は右から田鍋、矢野、ヤキモフスキーとなり、藤本と小川のダブルボランチにシフトした。

 一方の鹿島は後半38分、西に代えてDF山村和也を投入。山村はCBに入り、DF青木剛が右SBへ。同40分には遠藤に代わってMF本田拓也がボランチに入り、柴崎が右サイドへ回った。両チームともに次々とメンバーを入れ替え、名古屋は攻撃的、鹿島は守備的な手を打っていったが、次のゴールを決めたのは鹿島。後半ロスタイム、右サイドからの山なりのクロスを受けた大迫が絶妙なトラップから反転して左足でゴールに流し込んだ。この日が23歳の誕生日だった大迫のダメ押し弾で3-1。鹿島がジーコ氏の前で2試合ぶりの白星を挙げた。一方の名古屋はこれで泥沼の4連敗。6試合勝ちなし(1分5敗)となった。

(取材・文 西山紘平)

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