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大勝にも気を引き締める浦和DF森脇「2試合で4失点は危機的状況」

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[5.26 J1第13節 柏2-6浦和 国立]

 後半30分に浦和レッズは、柏レイソルのFW田中順也にゴールを許した。それまでに4点を挙げていた快勝ムードに、水を差された一撃だ。その雰囲気を払しょくするためにも、DF森脇良太はゴールを目指していた。迎えた後半34分、右サイドのスローインを受けたMF関口訓充からボールを受けた森脇は、PA内で仕掛けて左足でシュートを放った。ボールはDFに当たって、GKの逆を突く形でゴールに決まった。背番号46は、得点場面を振り返る。

「クニ(関口)からボールが来ましたけど、あまり前にいる選手も少ないと認識していましたし、ゴールも近くにありましたので『何が何でも点を取ろう』『せめて枠にボールを飛ばしてやろう』という気持ちで、最後は強引だったかもしれませんが、シュートを打ちました。『入ってくれ』という思いで蹴ったボールが相手に当たって入ってくれました」

 得点を喜ぶ森脇は、ゴール裏のサポーター席まで一直線に走って行った。サポーターに向かってガッツポーズをして、振り向いた瞬間、凍りついたという。「よっしゃーって喜んで、『誰か抱き付いてくれるかな?』と思って、パッと振り返ったら、誰も来ていなくてね。どうしようかなと思いましたよ」と苦笑した。さらに、自分のポジションに戻る際にもチームメイトたちからは「あれはおまえのゴールじゃないぞ」、「頼むからオウンゴールになってくれ」と、手荒い祝福(?)を受けたことも明かす。「みんなからは『何を喜んでいるんだ。あれはオウンゴールだ』と、さんざん言われましたが、僕の思いを言わせていただくと『オウンゴールにならないでくれ!!』というところです」。

 得点場面を振り返って報道陣を笑わせた森脇だったが、最後はDFらしく、反省点を口にした。チームは直近のリーグ戦4試合で17得点と驚異的な得点力を見せている。しかし、森脇は4試合で7失点を喫していることを強調した。

「こういう結果になって、攻撃のところに注目が集まりがちですが、ここ2試合で4失点を喫しているのは危機的な状況です。そこを見つめ直さないと上にはいけない。ここ数試合、崩された失点は本当にないと思いますが、その中で安い失点、もったいない失点を与えています。相手に崩されて失点したのであれば、相手を誉めて次に進むべきだと思いますが、クロスからとか、セットプレーからとか、自分たちのミスからという失点はなくしていかないといけない。今は得点が入っていますが、シュートを20本打っても得点が入らないことがあるのもサッカーですから、しっかり0-0でゲームを進めていく。点が入らないのであれば、0-0でゲームを終わらせる作業も必要になってくると思うので、そこに目をつぶらず、しっかりと見つめていかないといけない」と、昨シーズン、広島でリーグ優勝を経験した森脇は、大勝後に警鐘を鳴らした。

(取材・文 河合拓)

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