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決勝点で2連勝演出の千葉FW大塚「こういうチャンスをモノにしないといけなかった」

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[6.29 J2第21節 千葉 2-1 東京V フクアリ]

 開始早々に先制点を挙げて、守備的になったのか。前半のジェフユナイテッド千葉は、どこか攻撃に迫力が欠けていた。「個人的には、そういう意識はなかったけれど、もしかしたら(先制点を取ったことで)全体的に守備を意識したのかもしれない」と、FW大塚翔平は振り返る。

 ハーフタイムの鈴木淳監督の指示が、チームに攻撃的な姿勢を取り戻させる要因になったと、大塚は続ける。「『もっと厳しいところを突いて行こう』『もっと勇気を持ってプレーしよう』という監督の指示を受けて、みんな前に、前に行けたと思います」。

 自分たちが、より攻撃的に戦うためにも、大塚とFWナム・スンウが意識したのは守備だった。「僕とスンウが、相手のボランチに前半よりもプレッシャーを掛けることを意識していたから、自由に蹴らすことは減ったと思います」と、大塚は言う。実際、東京ヴェルディは、後半の立ち上がりこそFW飯尾一慶を中心としたパスワークを見せたが、すぐにトーンダウンし、シュート1本で後半の45分を終えている。

 守備が機能する中で、後半22分にMF佐藤勇人が投入されると、千葉の前線の選手たちは、より思い切りよく攻撃に出ることができた。後方で広いスペースをカバーできる佐藤の存在感は絶大だった。後半35分、大塚が決めた決勝点の場面では、多くの選手が攻撃に絡んでいる。中央でボールを持ったMF谷澤達也からMF田中佑昌にパスが出る。田中はドリブルでPA内に侵入してシュートを打つ。これを東京VのGK佐藤勇也が弾いたところに、詰めていた大塚がゴールに流し込んだ。

「僕は大外からこぼれ球を狙っていました。目の前に転がって来たので、うまく決めることができて良かったです。あれだけゴール前に人数を掛けることができれば、こぼれ球がくることもある」。大塚は胸を張った。

 FWケンペスとMF兵働昭弘が負傷欠場した中で、価値あるゴールだった。大塚は、このゴールでチームの競争が活性できれば、と力を込める。

「(リーグの)前半戦、あまり出場機会がなかったなかで、こういうチャンスをモノにしないといけなかった。同じく出場機会の少なかったナムも先制点を取った。僕とスンウが結果を出せたのは、チームの活性にもなると思うし、今後も試合に出られるように継続していきたい」

 2試合連続スタメン出場した大塚は、2連勝という最高の結果を自らのゴールで引き寄せた。悲願のJ1昇格を目指すチームの中で、後半戦は更なる活躍に期待がかかる。

(取材・文 河合拓)

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