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試合中断後、雨中のパワープレーで東京VがG大阪に追い付く

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[7.27 J2第26節 東京V 3-3 G大阪 味スタ]

 J2は27日に第26節を行い、東京ヴェルディガンバ大阪と対戦した。前半4分にDF刀根亮輔のゴールで先制した東京Vは、後半8分にもMF西紀寛が追加点を挙げる。ボール支配率では東京Vを圧倒するG大阪も、後半10分に新加入のFWロチャのゴールで1点を返す。強風に加えて雨が降り出した同19分には、FWパウリーニョがゴールを決めて試合は振り出しに戻る。さらに同28分にはMF遠藤保仁が直接FKを決めて、G大阪が3-2と逆転した。後半34分に雷雨のため、試合が中断となり、55分後に再開された。水が浮かびボールがまったく走らなくなったピッチで、東京Vはパワープレーを仕掛ける。後半ロスタイムにDF石神直哉が同点ゴールを決めて、3-3で試合は終了。勝ち点1を分け合った。

 2連勝中の東京Vは、前節の横浜FC戦(3-2)と同じスタメンで試合に臨んでいる。前節、神戸に3-2で勝利したG大阪はMF二川孝広に代わり、MF岡崎建哉が2試合ぶりに先発出場となった。4-4-1-1の布陣でMF遠藤保仁がかなり高い位置に入っている。
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 序盤からアグレッシブなプレーを見せていた東京Vは、前半4分に先制点を挙げる。相手のクリアーボールをDF井林章がオーバーヘッド。これがゴール前の刀根の前へ。刀根が右足でシュートを決めて、東京Vが1点をリードした。

 G大阪も前半12分に持ち前の細かいパスワークでボールを前に運び、MF岡崎建哉が逆を突くスルーパスを出す。これをDF藤春廣輝がPA内で受けてシュートに持ち込んだが、枠を捉えることはできなかった。同18分にもMF大森晃太郎のパスを最前線で受けた遠藤がポストプレー。落としたボールを前節2ゴールのFW宇佐美貴史がシュートしたが、DFに当たって枠外へ飛んだ。

 前半23分にG大阪にアクシデントが起きる。CKでGK佐藤優也と頭をぶつけたDF岩下敬輔が負傷交代となり、新加入のブラジル人ストライカー、ロチャが起用された。今野が最終ラインに入り、遠藤がボランチにポジションを下げている。

 押し込まれる展開の東京Vも一発を見せる。森勇介からのパスを受けて正面を向いた西が右足で強烈なシュートするが、これはGK藤ヶ谷陽介に阻まれた。このCKの流れからMF鈴木惇もシュートしたが、ゴール左へ逸れている。同31分には岡崎の左足シュートが、GK佐藤の手を弾き、左ポストを叩く。

 さらに34分にも宇佐美が右に展開したボールを、DF加地亮がゴール前に折り返す。GK佐藤がパンチングしたボールを宇佐美がPA内で回収。右足のキックフェイントでDFを滑らせて左足でシュートする。ボールは枠を捉えたが、戻って来た東京VのDFがライン上で懸命にクリアーしてゴールを許さない。その後もG大阪は宇佐美を中心に厚みのある攻撃を見せたが、ゴールを割ることはできない。前半ロスタイムにも左サイドからカットインした藤春が、右足で強烈なシュートを打ったが、GKに阻まれた。東京Vが1点をリードして前半を折り返している。

 強風が吹き荒れる中で後半に入ると、G大阪が圧倒的に押し込む。しかし、東京Vも体を張った守備でチャンスをつくらせない。逆に東京Vは後半8分、右サイドの森が中央に入れたボールを常盤が最終ラインの裏に入れる。常盤が最終ラインの裏にパスを出すと、そこに走り込んだ西がダイレクトでシュートを決めて、リードを広げた。

 後半10分にはG大阪も1点を返す。右サイドからMF大森晃太郎が入れたクロスをロチャがヘッドで合わせて初出場初ゴール。この直後にG大阪は岡崎を下げて、FWパウリーニョを起用する。強烈に雨が降り出した同19分には宇佐美のスルーパスを受けたPA内で受けたパウリーニョが、左足を振り抜きシュートをゴールに突き刺し、同点に追い付いた。

 東京Vの三浦泰年監督は、後半22分、西に代えてMF端山豪をピッチに送り出す。しかし、G大阪の勢いは止まらない。2人のブラジル人と宇佐美が推進力を生み、東京Vゴールに迫る。同26分には宇佐美がドリブルからシュートを放ったが、ボールはゴールの左へと逸れて行った。その1分後にも宇佐美はドリブルで中央突破をはかり、相手のファウルを誘う。これで得たFKを遠藤保仁が直接ゴールに決めて、G大阪が逆転する。

 このまま東京Vを圧倒したいG大阪だったが、パウリーニョが負傷。最後の交代カードで、DF内田達也との交代を強いられてしまう。東京Vも31分には常盤を下げて、MF安田晃大を投入する。同34分には雷雨のため、試合が中断となる。55分の中断の後、試合は再開されたが、ピッチ上に水が浮き、ボールがまったく走らない状況になっていた。1点ビハインドの東京Vはパワープレーを仕掛ける。ロスタイムにはG大阪の最終ラインでボールクリアーに手間取ると、プレスを掛けていたDF石神直哉がボールをゴールに蹴り込み、同点に追い付いた。タイムアップまで東京Vが押し込んだが、逆転はできずに3-3で試合は終了している。

(取材・文 河合拓)

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