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初出場初ゴールのG大阪FWロチャ「僕がなんとかすると話していた」

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[7.27 J2第26節 東京V 3-3 G大阪 味スタ]

 難しい試合の流れを変える一撃だった。前半4分に東京ヴェルディのDF刀根亮輔に先制点を許したガンバ大阪は、後半8分にもMF西紀寛に追加点を許してしまう。この苦境を救ったのが、FWロチャだった。

 ブラジル人ストライカーは、前半23分に右足首を負傷したDF岩下敬輔との交代で、初めてJリーグのピッチに入っていた。「前半にケガをした選手が出るという、少し残念な形でのデビューとなりました。でも、僕自身は前回の神戸戦のときから出場する準備はできていました」。

 後半10分、ロチャにチャンスが訪れる。FW宇佐美貴史から右サイドのMF大森晃太郎にパスが出る。このタイミングで東京VのCBの背後に入り込んだロチャは、大森からクロスが送られると、2人のDFの背後でボールをヘッドで捉えた。「普段の練習から、サイドをやる選手には、クロスをPA内に上げるように言っていました。晃太郎にも『ボールを放り込んでくれたら、僕がなんとかする』と話していたんです。監督からも『どんどんクロスボールを入れるように』という指示があったので、ああいうボールで点が取れるかなと思っていました。その形で点が取れて良かったです」と、振り返った。

 このゴールを機に、チームはさらに2点を加えて一時逆転した。そのまま3-2でG大阪が逃げ切れると思われたが、残り10分というところで55分間の中断が入ってしまう。試合再開後、ピッチには水が浮き、G大阪の持ち味であるパスサッカーをやるには難しい状況となっていた。後半ロスタイム、パワープレーで押し込まれたG大阪は、PA内に入れられたボールをクリアーしきれずに、相手に押し込まれて3-3の同点に持ち込まれた。

 デビュー戦で初勝利とはならなかったが、長谷川健太監督は「難しい状況で使ったけれど、後半は持ち味を出してくれた。高いポテンシャルを感じたし、チームに融合させていきたい」とロチャを高く評価。また、MF遠藤保仁も「体は強い選手ですし、良いボールキープもできていました。ゴールも決めて、結果を出してくれた。まだまだコンビネーションを高めていけると思いますが、彼が入ったときには、彼をうまく使っていければと思います」と、攻撃の新たなオプションを歓迎した。

 この日、クロスからゴールを決めたロチャ自身も、チームとの融合に自信を見せる。

「ガンバに加入する前から、チームの特徴は分かっていました。パスワークで崩してっていうところも知っていたので。僕自身はどういう形でも問題ありません。パスワークで崩した中でのゴールを取る形も持っているので、問題ありませんよ」

 チーム最多13ゴールを挙げていたFWレアンドロ。その抜けた穴を埋めることが期待されるストライカーは、第一歩を良い形で踏み出した。

(取材・文 河合拓)

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