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マルキのJ1通算130点で先制も、横浜FMは終盤のOGで柏と分ける

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[7.31 J1第18節 横浜FM1-1柏 日産ス]

 J1は31日に第18節を行い3位の横浜F・マリノスは9位の柏レイソルと対戦した。前半31分にFWマルキーニョスのJ1通算130得点目となるゴールで横浜FMが先制する。後半もチャンスをつくった横浜FMだが、得点を挙げることができない。残り3分を切り、横浜FMはCKからオウンゴールで同点に追い付かれてしまう。2点目を目指して攻めた横浜FMだったが、得点を挙げられずにタイムアップ。柏戦での5年ぶりの勝利を逃す形になってしまった。

 横浜FMは日本代表として東アジア杯に出場したMF斎藤学がスタメン入りしたが、DF栗原勇蔵はベンチ外に。代わりに23日のマンチェスター・ユナイテッド戦でもスタメン出場し、得点を決めたDFファビオが先発している。同試合の前半20分で途中交代したMF中村俊輔もトップ下に入っている。一方の柏は、東アジア杯に出場したDF鈴木大輔、DFキム・チャンスが先発。前節の清水戦(2-2)は出場停止だったDF近藤直也も最終ラインに復帰した。さらに右股関節内転筋損傷のMFレアンドロ・ドミンゲスも12節のC大阪戦以来、7試合ぶりに復帰を果たしている。
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 2008年10月の対戦を3-1で制して以降、横浜FMは柏を苦手としてきた。その後、リーグ戦7度の対戦成績は3分4敗。勝ち星から見放されている。最初にチャンスをつくったのは、柏だった。前半9分に鈴木がボールを持ち上がり、ゴール前にロビングを入れる。FWクレオがDF中澤佑二にマークされ、パスは通らずにボールはゴール左に逸れて行った。その1分後にも柏は相手のビルドアップのミスからボールを奪い、最後はレアンドロがゴールを狙ったが、ボールはGK榎本哲也の正面を突いている。

 対する横浜FMも11分、MF中町公祐がつないだパスをFWマルキーニョスがDFを背負ってシュートに持ち込む。ボールはクロスバーを大きく越えたが、両クラブのブラジル人が果敢にゴールを狙った。同14分にもマルキーニョスはDFドゥトラからのクロスをヘッドで合わせたが、これは柏のDFにブロックされた。同21分にも横浜FMは、中村がボールを運び、マルキーニョスへ縦パスを入れる。DFとの1対1からマルキーニョスはシュートに持ち込んだが、ボールはわずかに右へと逸れて行った。

 徐々に横浜FMがボールを回す時間帯が長くなるが、柏の守備を崩せない。逆にボールを奪ってからの速攻から、柏にチャンスが出来そうな展開となる。27分にはMF大谷秀和が中村からボールを奪って反撃に転じようとしたが、MF富澤清太郎にファウルで止められ、富澤にはイエローカードが提示された。

 それでも横浜FMは、柏の守備を攻略した。前半31分、古巣対戦でブーイングを浴びながらプレーするDF小林祐三が前方の齋藤にパス。齋藤は中に行くように見せながら、縦に一気に加速。DF橋本和を振り切って、ゴール前にクロスを入れた。これをマルキーニョスがシュート。一度はクロスバーを叩いたが、こぼれ球を再度マルキーニョスがゴール左に押し込み、横浜FMが先制した。

 1点を追う形になった柏は、レアンドロにボールを集めながら横浜FMを押し込んでいく。逆にカウンターできる状況になった横浜FMも前半43分に齋藤がドリブルから味方にボールを預け、リターンパスを受けようとする。ボールが離れてから柏の選手に倒されたが、村上伸次監督は笛を吹かず。そこからカウンター返しに出た柏は、クレオが立て続けにフィニッシュに持ち込んだが、左足でのシュートはファビオにブロックされ、ヘッドはミートせずにGK榎本に抑えられた。このままホームの横浜FMが1-0とリードして、後半を迎えた。

 後半8分、横浜FMはMF兵藤慎剛からの縦パスを受けたマルキーニョスが倒されて、FKのチャンスを得る。中村が得意の左足でゴールを狙ったが、ボールはクロスバーの上を叩き、追加点にはつながらなかった。同12分に今度は柏がFKからチャンスをつくる。右サイドからレアンドロが入れたボールを鈴木が後ろ足で合わせたがDFがクリアー。柏の攻撃を防いだ横浜FMは、カウンターに出る。マルキーニョスがボールをキープして、ヒールで兵藤に落とす。兵藤がリターンパスを出すと、マルキーニョスがボールを受けてGK菅野と1対1のチャンスを迎えた。しかし、ここは菅野が粘り強くマルキーニョスを外に追い出し、シュートコースを狭めたことで、フィニッシュは右サイドネットに外れた。

 すぐに柏も反撃に出て、後半14分に二度のシュートを放った。最終ラインの裏に飛び出したレアンドロが、ロングパスを最終ラインの背後で受けてシュートしたが、これはクロスバーを越えた。さらにMF田中順也もPA外からのシュートでゴールを狙ったが、GK榎本に阻まれている。

 ここで柏のネルシーニョ監督が先に動く。後半15分に田中を下げて、MFジョルジ・ワグネルを起用。さらに同22分にはキム・チャンスを下げて、DF藤田優人をピッチに送り出した。この交代の直前に横浜FMにも、マルキーニョスがピッチに倒れ込むアクシデントが起き、FW藤田祥史と交代することになった。

 後半26分には横浜FMも、中町からのパスを受けた齋藤が、PA内に切り込みシュートを放ったが、ボールはGKに正面で抑えられた。さらに27分には中村が中央をドリブル突破する。PA内で倒れたが、ファウルは認められずにプレーは続行された。同28分に柏はレアンドロをベンチに下げ、MF太田徹郎を起用して交代枠を使い切った。

 柏にビッグチャンスが来たのは後半34分。左サイドから橋本が折り返したボールを、ニアで工藤がすらして、ファーポスト前のクレオにパス。決定機だったが、クレオはシュートを豪快に右へ外し、絶好のチャンスを逃してしまう。同40分には横浜FMが齋藤を下げて、DF奈良輪雄太を起用して、守備固めに入る。しかし、試合はこのまま終わらない。同43分、柏はCKから中澤のオウンゴールで同点に追い付いた。

 4分間のロスタイム、横浜FMは立て続けにセットプレーから好機をつくったが、得点を挙げることはできない。さらに藤田の強烈な反転シュートがゴールに飛んだが、GK菅野の好セーブに阻まれた。試合は1-1で終了し、横浜FMは3試合無敗、柏は4試合無敗と記録を伸ばしている。

(取材・文 河合拓)

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