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12年ぶりとなるヘディング弾も…俊輔「やっぱFKかな」

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[8.10 J1第20節 横浜FM2-1鳥栖 ニッパ球]

 横浜F・マリノスに待望の先制点をもたらしたのは、チームの象徴である背番号「25」。しかし、MF中村俊輔の今季5点目は、鮮やかなFKでも、強烈なミドルシュートでも、美しいループシュートでもなく、まさかの技ありのバックヘッドだった。
 
 前半23分、左サイドのスローインから何本かショートパスを交換し、中村俊輔に渡ると、MF中町公祐にボールを預け猛然と鳥栖ゴール前に走り込んだ。「スペースが空いていた」(俊輔)、鳥栖のセンターバックDF菊地直哉とDF呂成海の間に入ると、中町からピンポイントのボールが届いた。

「胸に欲しかったの。ヘディングなんてできるわけないよ(笑)」と試合後にはおどけて見せたが、胸トラップできないとみるや、クロスボールを後ろに反らし、ネットを揺らした。リーグでヘディングゴールを決めたのは、実に12年ぶりとなるが、その点を取材陣に指摘されても「たまたま」とあまり納得のいかない様子。それもそのはず、得意とするFKでのゴールがないからだ。「やっぱFKかな。入んないね」。この日も直接ゴールを狙える位置でFKを得たが、枠を捉えるもコースが甘く、リーグ戦では第8節の甲府戦(1-1)以来約4か月ぶりとなるFK弾を沈めることはできなかった。

「理想のサッカーではない」と割り切りながらも、しっかりと勝ち点3を積み上げ、首位の広島を勝ち点差1でピタリと追走する。昨季も15戦無敗を続けながらも、夏場に息切れして連敗を喫すると、「集中の糸が切れた」(俊輔)横浜FMは失速してしまった。今季は進化した姿を見せることができるのか――、真価の問われる8月となる。

(取材・文 奥山典幸)

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