beacon

2つの祝砲で華を添えた“40歳生誕祭”、ドゥトラ「サッカーを続けられて幸せ」

このエントリーをはてなブックマークに追加
[8.10 J1第20節 横浜FM2-1鳥栖 ニッパ球]

 横浜F・マリノスが誇る鉄人DFドゥトラ。奇しくも鳥栖戦は30代最後の試合となった。試合の翌11日がドゥトラの40歳の誕生日ということで、鳥栖戦は「ドゥトラ生誕祭!!」と銘打たれ、来場者1万人にドゥトラの顔写真をプリントしたお面がプレゼントされた。ニッパツ三ツ沢球技場をトリコロールで埋め尽くした横浜FMサポーターは、老若男女がドゥトラに変装し、試合前からスタジアムはお祭りムードだった。

 ドゥトラの誕生日をゴールで祝したのは、ドゥトラに次ぐ2人のベテラン、MF中村俊輔とFWマルキーニョス。まずは、中村俊輔が12年ぶりとなる“レアな”ヘディングでネットを揺らし、先制点を記録。同点とされた後半、勝ち越し点の起点となったのは、この日の主役であるドゥトラだった。ハーフライン付近からPA内のFW藤田祥史にロングフィードを送り、藤田が競ったボールにマルキーニョスが素早く反応。華麗なオーバーヘッドを決めてみせた。

 昨季、6年ぶりに古巣に復帰したドゥトラ。9年前の優勝を知るベテランというポジティブな面以上に、高齢による衰えというネガティブな面がクローズアップされていた。しかし、フタを開けてみれば、若手たちをおさえフル稼働している。「年齢を感じさせないアップダウンを繰り返しているし、左サイドの起点になれる。彼と俊輔、兵藤(慎剛)、(齋藤)学が絡むときには相手のペナルティエリアの角を崩すことができるので、大きな力となってくれています」と樋口靖洋監督も全幅の信頼を寄せる。

「特別な夜をありがとう」。試合後に自らのお面を被り笑顔を見せていたドゥトラは、大声援を送り続け、バースデーソングを合唱してくれたサポーターと、2つのゴールと勝ち点3で祝ってくれたチームメイトに感謝していた。「40代になってもサッカーを続けられているのは幸せ」。J1で唯一の40代プレーヤーとなるドゥトラは、応援に駆けつけた家族とともにスタジアムを後にした。

(取材・文 奥山典幸)

▼関連リンク
J1第20節LIVE速報

TOP