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柏と仙台による真夏の“イエローダービー”はスコアレスドロー

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[8.17 J1第21節 柏0-0仙台 柏]

 J1は17日に各地で第21節を行い、11位柏レイソルはホームの日立柏サッカー場で8位ベガルタ仙台を迎えた。6試合負けなし(3勝3分)の柏と、3連勝中の仙台という調子が上向きの2チームによる一戦は、酷暑の中でも激しい攻防を見せる。しかし、両チームともフィニッシュの精度を欠き、スコアレスのまま試合終了。勝ち点1を分け合った。

 1か月で9試合という過密日程の初戦となった柏。14日の国際親善試合に招集されていた日本代表FW工藤壮人はスタメン、韓国代表DFキム・チャンスはベンチとなり、前節・大分戦(0-0)と同じ11人がスタメンを飾った。

 一方の仙台は、故障者が相次ぐ苦しい状況。前節・鹿島戦(2-1)でFW赤嶺真吾、MF梁勇基が負傷しベンチ外に。しかし、チーム得点王(6得点)のFWウイルソンが2試合ぶりに復帰し、前節古巣相手に得点を決めたFW柳沢敦とツートップを組んだ。

 最近2シーズンの公式戦(柏の1勝2分4敗)はすべて1点差以内と、実力が拮抗している両チーム。データが示すとおり、攻守の切り替えが速い試合展開となる。序盤は柏のペース。前半5分にはDF近藤直也の縦パスを受けたMFレアンドロ・ドミンゲスがファーストシュートを放つと、同10分には柏が誇るブラジリアントリオでフィニッシュまで持ち込む。自陣からつないだボールをFWクレオがレアンドロ・ドミンゲスへとつなぎ、左サイドのMFジョルジ・ワグネルへ。ジョルジ・ワグネルからPA内のレアンドロ・ドミンゲスへのリターンは惜しくもあわず、GK林卓人が直接キャッチした。

 球際で激しさを見せる柏を前に、攻撃のカタチをつくれない仙台。柏はサイドを上手く使って攻勢をかけるが、ラストパスの精度が低く、決定機をつくれない。前半17分にレアンドロ・ドミンゲスがミドルシュートを放つが、ボールはサイドネットを揺らした。

 前半30分を回った頃からは仙台のペースに。同35分にはMF松下年宏の30m超のロングパスが、左サイドバックのDF石川直樹へ通り、ワントラップでPA内まで侵入するも、シュートはゴールポストの横をそれていった。前半終盤は再び柏が攻勢をかけ、MF大谷秀和がミドルシュートでゴールを狙うが、ボールはクロスバーの上を超えてしまった。
 
 両チームともにメンバー交代なしで入った後半は、さらに攻防が目まぐるしく変わる展開となる。仙台はセットプレーでチャンスをつくり、11分までにCKを4本獲得するが、得点に結びつけることができない。同14分には25m超の位置からMFヘベルチがFKを狙うもGK菅野孝憲にキャッチされた。

 柏は流れの中からチャンスをつくる。PA内のクレオのパスが仙台DFに当たるとボールはオーバーラップしていたDF藤田優人の足元に。左足を振り抜くもシュートはGK林がセーブ。さらに、こぼれ球を拾った柏は、大谷がPA外から右足で狙いすますもシュートはクロスバーに弾かれてしまった。

 後半17分には仙台が柏ゴール前でボールをつなぎ、ヘベルチが柏DFラインの間を割って入り、柏DFにPA内で倒されたように見えたが、判定はシミュレーションとなりヘベルチにイエローカードが出された。

 チャンスをつくるも決めきれない両チームは、FWの交代を図る。仙台は柳沢に代えてFW武藤雄樹、柏はクレオに代えてFW田中順也を投入した。

 ラスト15分はカウンターの応酬となり、両チームのチームカラーであるイエローで埋め尽くされたサポーターの声援も一段と大きくなる。柏、仙台ともにゴール前のシーンを多くつくるが、試合を決めることができない。

 両チームとも交代枠を使い切り、7分に渡るアディショナルタイムでも死力を尽くすも決着がつかず、0-0のまま試合は終了。勝ち点1ずつを積み上げ、柏は勝ち点30、仙台は勝ち点32とした。

(取材・文 奥山典幸)

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