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FW田中の3得点に絡む活躍で柏が熱戦制す!大宮は泥沼の7連敗…

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[8.24 J1第22節 大宮2-3柏 NACK]

 J1は24日に各地で第22節を行い、5位大宮アルディージャはホームのNACK5スタジアム大宮に11位柏レイソルを迎えた。小倉勉新監督の初陣となった大宮は、立ち上がり4分でFW田中順也に先制を許すと、前半27分には田中に2点目を決められる。前半終了間際の45分にPKでFWズラタンが1点を返し、さらに後半5分にMF渡邉大剛のゴールで同点に追いついた大宮だったが、同20分にFW澤昌克に勝ち越し弾を奪われると、反撃及ばず。柏が3-2で勝利をおさめ、リーグ戦3試合ぶりの勝ち点3を手にした。

 6連敗中の大宮は、小倉新体制となり前節・鳥栖戦(2-3)からスタメンを変更。16試合連続でスタメン出場していたDF今井智基に代えて、DF片岡洋介を右サイドバックに起用した。また、18日に獲得を発表したオーストラリア代表のDFニールがベンチ入りをはたした。

 21日に行われたACL準々決勝第1戦・アルシャバブ戦(1-1)から中2日となった柏。エースストライカーのFW工藤壮人が出場停止、柏の“キング”MFレアンドロ・ドミンゲスがベンチ外となったこともあり、アルシャバブ戦からスタメンを5選手入れ替え、2連勝中と相性のいいNACK5スタジアム大宮での一戦に臨んだ。

 前回の対戦では大宮がアウエーで4-0の完勝。雪辱に燃える柏は連戦の疲れも見せず、序盤から攻勢をかけた。開始1分にMF大谷秀和がミドルシュートを放つ。主将に呼応するように攻撃的な姿勢を見せると、いきなり先制点が生まれる。同4分、MF青木拓矢のサイドチェンジをMFジョルジ・ワグネルがダイレクトで田中へ。ゴールまで20m超の位置から左足を振り抜くと、ゴール左隅に突き刺さり、柏がリーグ戦3試合ぶりにゴールを奪った。

 いきなりリードを許した大宮は、FWノヴァコヴィッチとズラタンの“スロベニアンツートップ”にボールを集めるが、柏のセンターバックDF近藤直也とDF鈴木大輔を中心に粘り強く守り、得点機をつくらせない。しかし前半23分、大宮は近藤のGK菅野孝憲へのバックパスからチャンスを迎える。バックパスにノヴァコヴィッチがつめると、混戦となり最後はズラタンが無人のゴールへシュートを放ったが、枠を捉えることはできなかった。

 柏は連戦初先発となる田中、澤、MF狩野健太の起用が当たった。機動力に優れた田中、澤、狩野、MFジョルジ・ワグネルの前線4人を大宮はつかまえきれず、幾度もカウンターを許す。すると、前半27分、カウンターから右サイドのMF狩野健太へ展開。クロスは左サイドに流れるが、MFジョルジ・ワグネルが再び中に入れると、こぼれ球を田中が右足で押し込み、柏がリードを2点に広げた。

 2点のリードを許した大宮だったが、ノヴァコヴィッチとズラタンがチャンスをつくる。ゴールに近い位置でボールを受けられるようになると、前半終了間際にはノヴァコヴィッチが近藤に倒されてPKを獲得。これをズラタンが沈めてスコアを1-2として前半を折り返した。

 両チームともにメンバー交代なしで始まった後半、最初のチャンスは柏に訪れる。左CKを田中がニアで反らし、ファーサイドで鈴木がつめるが追加点には至らない。同5分、今度は大宮のチャンス。ノヴァコヴィッチが右サイドの片岡に展開。タッチライン際からマイナスのクロスを送ると、ニアサイドでMFチョ・ヨンチョルがスルーすると、渡邉大が右足を振り抜き、試合を振り出しに戻した。

 同点とされたことで柏は再び攻勢をかける。後半15分、ジョルジ・ワグネルのスルーパスに狩野が抜け出しGKと1対1を迎えるが、シュートはクロスバーを大きく越えていった。なおも柏の攻撃は続く。同20分には田中がPA外から左足で強烈なミドル。GK北野貴之が弾いたボールにつめていた澤が左足を振り抜き、柏が再びリードを奪った。

 後半32分、大宮は2枚同時に交代のカードを切る。MF金澤慎とズラタンに代えてニールとFW長谷川悠を投入。ニールをセンターバックに入れ、DF高橋祥平をボランチに上げた。対する柏も澤に代えてDF増嶋竜也を入れ、3バックにして逃げ切りを計る。

 反撃に出る大宮は後半40分、ゴール正面で得たFKをノヴァコヴィッチが狙うが、ゴール右隅に飛んだシュートはGK菅野がCKへ逃れる。続くCKで片岡が左足を振り抜くと、ゴールライン上で守っていた田中が身を挺してストップ。大宮の選手はハンドの抗議をしたが、認められなかった。

 4分のアディショナルタイムで、ニールのヘディングがクロスバーを叩く場面もあったが、柏がなんとか逃げ切りに成功。攻撃の2枚看板を欠いた柏だったが、選手層の厚さを見せつけて勝ち点を33とし、リーグ戦の負けなしも8(4勝4分)にのばした。一方の大宮は監督交代という荒療治も奏功せず、泥沼の7連敗。順位も6位に落とし、苦しい戦いが続いている。

(取材・文 奥山典幸)

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