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リーグ、ナビスコ、ACL…すべてを狙う柏、FW田中「狙わないと獲れない」

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[8.24 J1第22節 大宮2-3柏 NACK]

 FW工藤壮人(出場停止)とMFレアンドロ・ドミンゲス(ケガ)という“攻撃の2枚看板”を欠いた柏レイソルだったが、代わりに出場したFW田中順也が2得点、FW澤昌克が1得点と、柏の全得点を挙げる活躍を見せた。「(工藤とレアンドロと比べて)自分が劣っていると思って試合に出ていない」。澤の得点を呼び込んだミドルシュートを放ち、全得点に絡んだ田中は胸を張った。「今日はダイナミックで相手を圧倒する試合ができた」と会心の勝利を振り返った。

「左隅を狙ったら、その通りにいったので気持ちよかったです。あんなに上手く入ると思わなかった」と田中も自画自賛する先制点は、キレイな弧を描いた、芸術的なミドルシュート。追加点は、相手ゴール前の密集地帯で奪った、泥臭くFWらしいゴール。8月に入ってからの公式戦4試合で得点が工藤のみとなっていた柏にとって、田中の活躍は大きい。

 田中とともにツートップに入り、抜群のコンビネーションを見せていたのが決勝点を挙げた澤。豊富な運動量で、ときには大宮のセンターバックとボランチの間で、ときにはサイドに流れて起点となった。クロスに対しても田中と澤がポジションを入れ替えながらPAに飛び込むなど、大宮守備陣の脅威となり続けた。「前線で動きを出さないと、ディフェンスとボランチの間に隙間が生まれないので。うちのサイドバックがボールを持ったら、(ツートップの)どちらかが必ずスペースに流れて、相手のセンターバックの気を引かせる。そうすれば、順也か僕のどちらかが下りたときに、(センターバックとボランチの)間でボールを受けられるので。試合前からみんなでイメージできていた」。澤はゲームプラン通りの展開だったことを明かした。

 田中は3得点に絡んだだけでなく、試合終了間際には守備でもファインプレーを見せた。大宮のDF片岡洋介が放ったシュートをゴールライン上で体に当ててクリアした。「GKの後ろでカバーしていたらドンピシャでボールがきた。ホントはライン上げちゃうんですけど、勘が当たった(笑)」。

 今季のACL敵地での水原三星戦(6-2)で2ゴール決めている田中だが、リーグでマルチゴールを記録したのは、リーグ制覇した11年の8月28日川崎F戦(3-2)以来2年ぶり。大宮に勝利し7位まで順位を上げた柏は、リーグだけでなくナビスコ杯、ACLとすべての大会で優勝を狙える位置につけている。「今季のタイトルはすべて狙う雰囲気にチームがなっている。ずっとタイトルを獲れているし、狙わないと獲れない」。背番号「18」は、11年のリーグ、12年の天皇杯に続くタイトル奪取を見据えていた。

(取材・文 奥山典幸)

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