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決定力の高さを見せつけた鳥栖FW豊田「それが自分の仕事」

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[8.28 J1第23節 F東京2-3鳥栖 国立]

 これぞエースの仕事だ。完全に試合の主導権をFC東京に握られた中で、サガン鳥栖のFW豊田陽平は、最初のチャンスをモノにした。前半39分、DFのマークを外した豊田は、左サイドからDF金民友が入れたクロスをヘッドでゴールに突き刺した。この一撃に触発されたチームは、直後にもFW池田圭が追加点を挙げて2-0とリードを広げる。

 自身の先制点について「クロスは決めないと。それが自分の仕事だと思っているので。ボックス内で強さを出す、迫力を出すのが自分の仕事だと思っているので」と、振り返る。「相手より先に触ろうと思った」と、決定力の高さを見せつけた。

 しかし、チームは後半36分、同39分と立て続けに失点を喫し、同点に追い付かれてしまった。昨年5月に対戦した際にもF東京から2点を先行したが、その後、残り15分でFW渡邉千真にハットトリックを許し、逆転負けを喫していた。酷似した展開に「一瞬、頭をよぎりました」と苦笑する豊田だが、「でも、僕たちはまだまだJ1に来て、間もないので。まだ2シーズン目なので、相性なんて考えたこともない。一戦一戦、らしさを出して勝つこと。それしか考えていない」と、気持ちを切り変えた。

 その想いが、再びゴールという形で結実する。後半40分、右サイドのMF水沼宏太から送られたクロスに合わせた。ボールはGK権田修一に防がれたが、はね返ったボールが再び自身に当たり、ゴールに決まった。

「(水沼)宏太が『ここしかない』というところにボールを出してくれました。宏太もそう言っていましたが、互いのイメージを共有できたゴールだったと思います。綺麗なゴールではなく、泥臭いゴールでしたけど、チームが勝てたということで、一つ自分の中で良いゴールだったと思います」

 明日29日には、日本代表のメンバーが発表される。「発表が明日だとは知らなかった」と言う豊田は「ゴールを決めることができて良かったですけど、もっともっとやらなければいけないことがありました。でも、得点できたところを前向きに捉えて、(発表を)待つしかないと思います」と続けた。

 Jリーグの試合も、すぐにやってくる。現在3連勝中の鳥栖は、3日後にホームで名古屋と対戦する。「連勝したい」と言う豊田は、他の日本人ストライカーが得点を重ねていることも良い刺激になっているという。

「Jリーグで他の日本人ストライカーが点を取っていることも、刺激になっています。負けられないという気持ちもありますが、サッカーは難しいもので、簡単に点が取れるものではありません。とにかく一戦一戦、集中して。1秒1秒集中して、ということを心がけるしかないのかなと思います」。数少ないチャンスを、確実にゴールに結びつける鳥栖のストライカーは、継続を誓った。

(取材・文 河合拓)
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