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40歳ドゥトラの鮮烈ミドルで横浜FMが追い付く。C大阪は4戦連続ドロー

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[9.14 J1第25節 横浜FM1-1C大阪 日産ス]

 J1は14日に第25節を各地で行い、首位の横浜F・マリノスはホームで5位のセレッソ大阪と対戦した。前半11分にDF山下達也の今季2点目で、C大阪が先制する。しかし、その3分後にはDFドゥトラの強烈なミドルシュートが決まり、横浜FMが同点に追い付く。後半も速攻のC大阪、遅攻の横浜FMと見せ場をつくったが、両チームとも2点目を挙げることはできずに1-1のまま、試合終了のホイッスルを聞いた。

 横浜FMは、DF小林祐三が出場停止で右SBに奈良輪雄太を起用した。対するC大阪は、DF丸橋祐介、MF南野拓実がケガで欠場。さらにDF酒本憲幸の出場停止に伴い、DF椋原健太、DF新井場徹、MF楠神順平がスタメン入り。また、FWエジノに代わり、天皇杯の関西大戦でハットトリックを決めたFW杉本健勇が、スタメンに名を連ねている。
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 前節、大宮に0-1で敗れた横浜FMだが、今季のリーグ戦では連敗がなく、首位を守るためにも勝ち点3が求められる一戦となる。対するC大阪は、リーグ戦は5戦無敗(2勝3分)だが、直近の3試合はドロー。優勝争いに加わるためには、こちらも勝利が必要な状況だ。

 C大阪は前半11分、左サイドを突破したMF杉本健勇がCKを獲得する。そのCKからDFがクリアーミスしたボールが高く浮くと、落下地点にいた山下がボレーシュート。これが決まり、アウェーのC大阪が先制する。横浜FMも黙っていない。わずか3分後、前節J1通算200試合出場を達成したドゥトラが、強烈なミドルシュートを左サイドネットに蹴り込み、試合を振り出しに戻した。このゴールでドゥトラは、ジーコ、中山雅史、三浦知良に続く4人目の40代でのJ1得点者となった。

 同点に追い付き、勢いづく横浜FMは、前半17分にもMF兵藤慎剛のCKにMF富澤清太郎がヘッドで合わせたが、これはGKキム・ジンヒョンが好セーブで枠外へ弾き出す。さらに同18分にもPA内でDF栗原勇蔵が競り勝ったボールを受けたFWマルキーニョスが反転からシュートを放ったが、惜しくもサイドネットに外れる。直後の19分にも、右足サイドからMF中村俊輔が入れたクロスを、富澤がオーバーヘッドで合わせたが、これは左へ逸れて行った。

 前半28分には横浜FMが自陣からカウンターに出る。中村のロングボールから、マルキーニョスが山下と1対1になり、抜き切る前にシュート。しかし、これもGKキム・ジンヒョンに阻まれて得点はできない。C大阪も速攻を見せる。ロングボールからFW柿谷曜一朗が左足度を抜け出し、ゴール前に速いボールを入れたが、MF楠神順平にはわずかに合わなかった。

 その後、前半34分にはマルキーニョス、同37分には杉本と、両チームのストライカーがミドルシュートを枠に飛ばしたが、ゴールネットは揺らせない。その後は横浜FMがボールを保持し、C大阪に対して圧力を掛けたが、C大阪の最終ラインも山下を中心に踏ん張る。前半終了間際には、MF山口螢のパスミスからMF齋藤学に突破され、決定的な場面をつくられたが、GKキム・ジンヒョンの好セーブで、1-1のまま前半を折り返した。

 後半、最初にゴールに迫ったのは、C大阪だった。後半3分、右サイドを攻め上がったDF椋原健太がクロスを入れる。これがDF中澤佑二に当たり、ゴールに入りそうになったが、ラインを割る寸前でGK榎本哲也が掻き出し、こぼれ球を栗原がヒールキックでクリアーして難を逃れる。

 横浜FMも後半6分に左サイドから中村がゴール前にクロスを入れる。マルキーニョスにはわずかに合わなかったが、流れたボールを回収した奈良輪が富澤にパス。距離のある位置から富澤がシュートを放ったが、シュートを抑えられずに、ボールはクロスバーを越えた。その後もC大阪を押し込む横浜FMは、同10分、ドゥトラの縦パスを起点に、最後はPA内の混戦からMF齋藤学がシュートに持ち込んだが、DFにブロックされてしまう。

 流れを変えたいC大阪は、楠神、シンプリシオを下げて、FWエジノ、黒木聖仁を起用する。2列目の右から黒木、エジノ、杉本と並び、山口と扇原の2ボランチになった。試合がやや膠着する中で、横浜FMは後半24分、ドゥトラがPA外から右足でミドルシュートを放ったが、枠を捉えられない。その1分後にはC大阪も杉本がシュートを放つが、こちらはGK榎本にキャッチされた。同27分にはPA内に侵入した新井場が右足で狙いすましたシュートを打つ。しかし、これはゴールの右へ外れて、得点できなかった。

 横浜FMは後半30分、兵藤を下げてDFジョン・ドンホを起用する。同33分、C大阪はMF扇原貴宏がミドルシュートを打つが、ゴール左へ逸れて行った。この直前にクロスを入れた椋原が足をつってしまい、C大阪は最後の交代枠でDF小暮大器を投入する。同36分、C大阪は小暮が右からクロスを入れる。DF中澤がクリアーしたボールを、エジノが拾い、DFが寄せて来る前に左足を振り抜いたが、GK榎本に防がれて得点は挙げられなかった。

 エジノは後半37分にも速攻からミドルシュートを放つ。スピードのあるボールをGK榎本がこぼしたところに柿谷がつめたが、一足先にボールに追いついた中澤が大きくクリアーした。同40分に横浜FMは富澤を下げて、MF小椋祥平を投入する。しかし、全体的に動きの重くなった横浜FMは、C大阪の守備が崩せない。同43分には中村が倒されてFKを得たが、中村のシュートは壁に当たって枠を逸れて行った。同44分のCKの場面で、横浜FMは最後の交代枠を使い、中町を下げてFW藤田祥史を起用する。

 横浜FMは最後までC大阪を押し込んだが2点目は遠く、1-1のまま試合終了。勝ち点1を分け合う結果となった。
(取材・文 河合拓)
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