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連敗ストップの千葉MF兵働「DFは今日をベースにやればいい」

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[11.17 J2第41節 千葉1-1栃木 フクアリ]

 まるでチームに活を入れるように、立ち上がりからジェフユナイテッド千葉のMF兵働昭弘は、積極的にシュートを放っていった。「そこが枠に飛ばないのは反省点」と、苦笑する兵働だが、「試合前に『ちょっとシュートが少ない』という話がありましたし、自分でもそう思っていたので。そこら辺は意識して、ちょっと遠めからでもシュートを打てば勢いは出るし、そこは積極的にやりましたね」と振り返る。

 前々節の札幌戦(0-1)はシュート7本、前節の長崎戦(0-2)はシュート8本と、千葉は完封で連敗を喫していた。それが栃木戦では前半だけで10本のシュートを放ち、8分にはMF田中佑昌のゴールで先制することもできた。「中盤でボールをフリーで回された」と、栃木の松本育夫監督は、前半を悔やんだが、それだけ千葉が良いリズムで試合を運んでいた。

 後半に入ってからは栃木も持ち直し、両チームが打ち合う展開になった。見ている者にとっては、カウンターの応酬はハラハラし、見応えもある。だが、前線のFWクリスティアーノ、FWサビアという強力な2トップを生かした速攻を繰り出す相手との試合では、相手に速攻を許さない、慎重な戦い方も時間帯によっては必要だったはず。実際に後半8分には速攻からサビアに同点ゴールを決められ、その後も決定機をつくられた。

「今まで負けている2戦に比べたら、前に出る意識も強くなった」と、収穫を口にする兵働だが、失点については「前の2枚で点が取れることは分かっていたし、向こうはそれを狙っていたと思う。一番警戒はしていましたが、ちょっと隙をつくるとやられちゃう。後半に行ったり来たりする展開になって、向こうの攻め残った選手とかにルーズボールが入った時のスピードアップされた攻撃は怖かった。そこらへんのリスク管理だったり、攻撃に入ったときに無理して同サイドで攻め切るのではなくて、逆サイドにボールを運んでいく意識を持てたりすればよかった。縦だけでなく、横も使いながら攻められたら、もっと相手もいなせたし、カウンターを受ける回数も減ったんじゃないかなと思います」

 ホーム最終戦だった今節、プレーオフ進出を確定できなかった千葉。次節の鳥取戦で、その権利をつかまなければならない。同時に、プレーオフに向けて、連敗を喫してやや停滞気味なチームを活性させることもテーマとなる。

「DFの激しさやアグレッシブさは、今日をベースにやればいいと思う。あとは攻撃に入ったとき、縦に行けるときは行くべきだと思うし、ゴールに向かってプレーすることは大事。だけど、仮にリードしているときだったり、行ったり来たりしているときには、自分のところで落ち着かせたり、ボールを逆に振ったり。そういう落ち着いたところも出せれば、さらにチームは良くなると思います」

 現在のチームに何が必要かをしっかりと認識する兵働の目は、J1昇格を見据えている。

(取材・文 河合拓)
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