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なでしこ白星発進!!川澄&宮間のゴールでカナダに競り勝つ

[7.25 ロンドン五輪F組日本2-1カナダコベントリー]

　なでしこ、白星発進!!　27日のロンドン五輪開幕に先立ってサッカー女子が開幕した。日本女子代表(なでしこジャパン)は25日、英国・コベントリーでグループリーグ第1戦に臨み、カナダ女子代表と対戦し、2-1で競り勝った。前半33分、MF川澄奈穂美のゴールで先制すると、同44分にはMF宮間あやが追加点。後半10分に1点を返されるも、そのまま逃げ切った。初戦を勝利で飾ったなでしこは28日の第2戦でスウェーデンと対戦する。

　日本は19日のフランス戦(0-2)と同じ先発メンバーで臨んだが、フランス戦は右サイドハーフで先発したFW大野忍が前線に入り、FW大儀見優季(旧姓・永里)と2トップを形成。川澄が左サイドハーフにポジションを下げ、宮間が右サイドに回った。ゴールはGK福元美穂が守った。
[スタメン&布陣はコチラ]

　立ち上がりは重苦しい雰囲気に包まれた。日本は前半5分、DF近賀ゆかりの右サイドからのアーリークロスにMF澤穂希が右足ダイレクトで合わせるボレーシュート。積極的にファーストシュートを放つが、ゴールの大きく上へ。すると、その後はなかなかシュートまで持ち込めない時間が続いた。初戦の緊張からか体が重く、ミスを頻発。なでしこらしいパスサッカーを見せられない。対するカナダもロングボール主体に日本の左サイドを狙うが、攻撃は単調でシュートらしいシュートもなく、試合はこう着状態に入った。

　試合が動いたのは前半32分。日本の2本目のシュートが先制点につながった。左サイドのスローインから澤がボールを受けると、ゴール前に走り込んだFW大野忍に絶妙な浮き球のパスを送る。大野はPA内で相手DFを背負いながらヒールパス。左サイドから走り込んできた川澄がフリーで抜け出し、角度のない位置から冷静に右足でゴール右上隅に流し込んだ。

　歓喜の輪が広がるなでしこジャパン。これで徐々に落ち着きを見せ始め、じっくりパスをつなぎながら攻撃を組み立てる。すると前半44分、DF鮫島彩からのロングフィードを受けた大野がもう一度戻し、鮫島が左足ダイレクトでクロス。カナダのGKマクレードはゴールを空けて飛び出すが、ボールに触れることができず、ファーサイドまで流れてきたクロスボールが宮間の頭に当たり、無人のゴールへ。ラッキーなヘディングシュートがゴールに吸い込まれ、2-0とリードを広げて前半を折り返した。

　日本は後半6分、細かいパス回しから大儀見、大野、川澄とつなぎ、最後はゴール正面から大野がシュート。DFがブロックしたこぼれ球が川澄の頭に当たり、ゴール前フリーの大儀見にボールが渡る。大儀見はGKもかわして左足で押し込むが、シュートはゴールラインぎりぎりでDFがクリア。惜しくも3点目とはいかなかった。

　すると後半10分、一瞬の隙を突かれ、1点を返される。カナダは前半から徹底して狙っていた右サイドをこじ開け、DFウィルキンソンが突破。深い位置までえぐってゴール前にグラウンダーのクロスを入れると、ファーサイドから走り込んだFWタンクレディが近賀の前に体を入れ、滑り込みながら右足で押し込んだ。

　2-1と1点差に追い上げられた日本は後半17分、大野からパスを受けた川澄が左クロス。ゴール前で完全にフリーになった大儀見が頭で合わせるが、ヘディングシュートは大きく浮いてしまう。同19分には大野に代えてFW安藤梢を投入し、最初のカードを切った。

　3点目を取って試合を決定づけたい日本だが、なかなか決め切れない。後半21分には川澄、澤とつないで大儀見が右足ミドルを狙うがGKがキャッチ。同33分、川澄の左クロスを大儀見が体を張って落とすと、安藤が右足を振り抜いたが、DFが間一髪、足を伸ばしてクリアした。

　カナダは後半40分にCBのDFチャップマンが負傷。スタッフに支えられながらピッチをあとにするが、すでに交代枠を使い切っていたため、残り時間、10人での戦いを強いられた。結局、日本は3点目を奪うことはできなかったが、守備陣は最後まで集中力を保ち、カナダの反撃を跳ね返す。試合はそのまま2-1で終了。苦しみながらも初戦を白星で飾った。

(取材・文　西山紘平)

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