beacon

痛恨のミスで決勝点献上、扇原「次、取り返す気持ちで…」

このエントリーをはてなブックマークに追加

[8.7 ロンドン五輪準決勝 日本1-3メキシコ ロンドン]

 悔やんでも悔やみ切れなかった。1-1で迎えた後半20分、一度はFWペラルタのシュートをGK権田修一がキャッチ。ビルドアップのためスローイングでMF扇原貴宏にパスを出すと、MFアキノ、ペラルタの2人からプレッシャーをかけられ、ボールを失った。すかさずペラルタがエリア外から強烈なミドルシュート。これがゴール左上隅に豪快に突き刺さり、メキシコが試合をひっくり返した。

「前半から最終ラインでコントロールしたところをメキシコの選手は狙っていた。一つクリアして、ボールを落ち着かそうと次にコントロールしたときに狙っていた。ハーフタイムに『そこを回避しないと危険だぞ』と話したが、後半に出てしまった。残念だが、そういうプレーがあったのが2失点目だった」。結果的に決勝点となった失点シーンを関塚隆監督はそう振り返った。

「一人目は見えていたけど、2人目が分からなかった」。そう唇を噛んだ扇原は「上に行けば行くほど、一つのミスでやられる」とうなだれた。試合後、メインスタンドの観客に挨拶するとき、悔し涙が止まらなかった背番号3。C大阪でも同僚のMF山口螢は「タカ(扇原)がいなければ、ここまで来れなかった」とかばい、DF吉田麻也も「タカだけの責任ではない」と言った。

 失点に直結した許されないミスではあったが、大事なのはこの経験をどう今後に生かすか。落ち込んでいる時間はない。3位決定戦は目の前に迫っている。「勝ちたかったけど、まだメダルのチャンスはある。切り替えてやるしかないし、しっかり次、取り返す気持ちでやりたい」。扇原は必死に前を向き、44年ぶりの銅メダル獲得につながる名誉挽回のプレーを誓っていた。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
ロンドン五輪特集ページ

TOP