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内田をベンチに追いやり先発の酒井宏、「エブラとクリシーのような関係に…」

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[10.12 国際親善試合 日本1-0フランス サンドニ]

 世界トップレベルの相手とのマッチアップに刺激を受けた。右SBで先発出場したDF酒井宏樹(ハノーファー)はFWベンゼマやFWメネスと対峙。後半23分からは途中出場のFWリベリと再三、マッチアップした。

「とにかく自分と1対1になったらサイドに持っていくことしかできない。あのレベルの選手だと左も右も同じくらいに蹴れるけど、それでも右足には持っていかせないようにした」。リベリとの対決をそう振り返った酒井宏。後半29分にはFW清武弘嗣と2人で対応したが、間をぶち抜かれ、シュートまで持ち込まれた。

「あのあたりがワールドクラス。悔しかったし、間を狙ってくるのは分かっていたけど、それまでフィジカルでは負けてなかったし、大丈夫だろうと……」。想像以上の力強さで強引に突破を許し、「まだまだです。ドイツでも強い選手はいる。もっともっとパワーアップしないといけない」と前を向いた。

 DF内田篤人(シャルケ)をベンチに追いやっての先発だった。「緊張はあったけど、せっかくの整った舞台。こういうチャンスはなかなかないし、最初で最後という気持ちで臨んだ」。今年6月のW杯アジア最終予選3連戦のうち2試合で途中出場ながらチャンスをつかむと、内田が招集を見送られた9月6日のUAE戦(1-0)でA代表初先発。内田が出場停止だった同11日のW杯アジア最終予選・イラク戦(1-0)は左足首痛のため欠場したが、内田が4か月ぶりに復帰した今回も先発の座を射止めた。

 熾烈さを増す内田とのポジション争い。「タイプが違うし、比較することはできない。今日のフランスみたいに、エブラがダメでもクリシーが出てくるような関係になりたい」。そう話す酒井宏だが、相手選手との接触で左すねに裂傷を負い、試合終盤は足がつり始めたこともあり、後半41分に内田と代わってベンチへ下がった。

「できる痛みだったけど、つりそうになったのもあった。やっている以上、自分からはバツを出せない」と、ベンチの判断での交代だったが、16日のブラジル戦に向けては「捻挫とかではないし、打撲なので大丈夫」と力強く話していた。

(取材・文 西山紘平)

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