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日本はブラジルに0-4完敗…ネイマール2発にカカもダメ押しゴール

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[10.16 国際親善試合 日本0-4ブラジル ブロツワフ]

 欧州遠征中の日本代表は16日、ポーランド・ブロツワフでブラジル代表と対戦し、0-4で敗れた。過去2分6敗と一度も勝ったことのないサッカー王国。前半12分に先制点を許すと、同26分にもFWネイマールにPKを決められ、前半を0-2で折り返す。後半3分にネイマールに2点目を決められると、同31分にはMFカカがダメ押しの4点目。ザッケローニ監督就任後最多失点となる0-4の完敗を喫し、フランス、ブラジルと続いた欧州遠征を1勝1敗で終えた。

 日本は右ふくらはぎ痛で12日のフランス戦(1-0)を欠場したMF本田圭佑が先発に復帰し、1トップに入った。8月15日のベネズエラ戦(1-1)でも後半29分から1トップを務めた本田だが、スタートから最前線に入るのは10年の南アフリカW杯以来。2列目は右からFW清武弘嗣、MF中村憲剛、FW香川真司と並んだ。フランス戦に先発したFWハーフナー・マイク、DF酒井宏樹はベンチスタート。代わってDF内田篤人が6月12日のW杯アジア最終予選・オーストラリア戦(1-1)以来、5試合ぶりに先発した。
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 日本は高い位置から積極的にプレッシャーをかけ、パスをつないで攻撃を組み立てるなど日本のサッカーを真っ向から展開した。ブラジルは前半6分、FWフッキの右クロスからMFオスカルが右足ボレーで狙うが、ゴール上へ。一方の日本も前半9分、清武の縦パスを香川がワンタッチでつなぎ、本田が左足を振り抜く。グラウンダーのシュートはGKジエゴが前に弾き、DFが何とかクリアした。

 ブラジルに対しても高い位置でボールを回し、積極的に攻撃を展開していく日本だが、速攻から先制点を許してしまう。前半12分、内田がヘディングでつなごうとしたボールをオスカルが中盤でカット。ドリブルで持ち上がり、横に流したボールをMFパウリーニョが右足ダイレクトで振り抜き、エリア手前からの弾丸ミドルをゴール左隅に突き刺した。

 日本は前半15分、本田、中村とつないでスルーパスに抜け出した香川が右足でシュートを狙うが、オフサイドの判定。同17分にはブラジルが再びカウンターから決定機をつくる。オスカルからパスを受けたネイマールがスルーパス。PA内に抜け出したパウリーニョはドリブルでGK川島永嗣もかわすが、左足のシュートはわずかにゴール右へそれた。

 何とか同点に追いつきたい日本だったが、不運な判定で2点目を許す。前半24分、ブラジルはDFアドリアーノ・コレイアが右サイドを突破し、マイナスに折り返す。PA内でボールを受けようとしたMFカカに対し、DF今野泰幸がスライディングタックルでチャレンジすると、ここでハンドの反則を取られたか、PKの判定。これをネイマールが豪快にゴールネットに叩き込み、ブラジルが2-0とリードを広げた。

 2点ビハインドとなった日本も必死の反撃に出る。前半32分、MF長谷部誠の右足ミドルはGKジエゴが好セーブ。ブラジルは同34分にネイマールが左サイドから折り返したボールをカカが右足で狙うが、ミドルシュートは右ポストを直撃した。その後は日本が相手陣内でパスをつなぎ、ポゼッションを高めて押し込む時間が続いたが、なかなかフィニッシュまで持ち込めず。前半は0-2で折り返した。

 日本はハーフタイムに2人を交代し、中村と内田に代えてFW乾貴士、DF酒井宏樹を投入。乾は左MF、酒井宏は右SBに入り、前線は香川と本田の2トップとなった。ところが、後半立ち上がりにブラジルが3点目を奪う。後半2分、左サイドからドリブルで切れ込んだネイマールが右足でミドルシュート。DFに当たってCKを獲得すると、オスカルの右CKをファーサイドで受けたネイマールが鋭い切り返しから左足で狙う。シュートはDF吉田麻也の足に当たって角度が変わり、ゴールマウスに吸い込まれた。

 3点を追う展開となった日本は後半5分、右CKのショートコーナーから立て続けにチャンスをつくるが、本田のシュートはDFに当たり、香川の左足シュートもゴール右へ外れた。ブラジルは後半14分、ゴール前絶好の位置でFKを獲得し、フッキが左足を振り抜くと、壁に当たったボールは左ポストを直撃。救われた日本は同16分にMF遠藤保仁から香川、本田と細かくつなぎ、PA内で本田が倒されたが、笛は鳴らなかった。

 日本は後半17分、長谷部に代えてMF細貝萌を投入。同26分には細貝が右サイドに展開し、酒井宏のクロスを逆サイドの本田が左足ボレーで狙うが、GKの正面を突く。1点が遠い日本は徐々にミスも増え始め、後半31分、吉田から遠藤への縦パスをパウリーニョがカット。ネイマールにつないでブラジルがカウンターに持ち込むと、最後はカカが吉田をかわして左足でゴールにねじ込み、4-0とダメを押した。

 ブラジルは直後の後半32分にフッキ、同37分にカカ、同40分にはネイマールをベンチに下げるなど余裕の展開。意地の1点を返したい日本だったが、最後はきっちりと守備組織を整えるブラジルの堅い守りをこじ開けられない。後半45分には清武に代えてFW宮市亮、吉田に代えてDF栗原勇蔵がピッチに入ったが、最後までゴールが遠く、0-4の完敗を喫した。日本代表が敗れたのは2月29日のW杯アジア3次予選・ウズベキスタン戦(0-1)以来、9試合ぶり。1試合4失点はジーコ監督時代の06年6月22日のドイツW杯グループリーグ最終戦・ブラジル戦(1-4)以来、約6年4か月ぶりとなった。

(取材・文 西山紘平)

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