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左サイドで躍動の長友は辛勝に不満、「スペインならもっと点差が付いた」

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[11.14 W杯アジア最終予選 オマーン1-2日本 マスカット]

 灼熱の中東も関係なかった。気温30度を超す蒸し暑いピッチの上で前半から走り回った。前半20分には左サイドのオーバーラップから先制点を演出。DF長友佑都(インテル)は「厳しい環境とコンディションだったけど、与えられた時間の中でメンタルと体を調整できた。そこがコントロールできたから最後まで走れたし、まったく問題なかった」と胸を張った。

 後半19分にDF酒井高徳が投入されると、2列目の左サイドにポジションを上げた。サイドハーフでの起用の可能性は「聞いてなかった」と言うが、「インテルでも最近はサイドハーフをやっている。そういう試合を見てくれて、評価してくれて、あのポジションをやらせてくれたと思う」と、突然の“コンバート”にも冷静に対応した。

 1-1に追いつかれたあとの後半39分にはMF細貝萌が投入され、中盤の守備を強化。このまま引き分けでもOKという采配に見えたが、長友はあくまで勝利を狙っていた。「引き分けではなく、勝ちに行っていたし、サイドハーフに入ったからには絶対に点に絡むという強い気持ちでやっていた」。そして後半44分、左サイドを突破した酒井高のクロスから劇的な決勝点。オマーンに今回のW杯予選で初めてホームゲームで土を付け、W杯出場に王手をかけた。

「『次、勝てば』とかは考えない。1試合1試合、すべての試合に勝つことを考えている。ここで満足していたら成長が止まる。すべて勝つつもりでいきたい」。そう力説する長友は「できれば危なげなく勝ちたかった」と、勝利の中に課題も見る。「世界のトップを狙うなら、今日の勝利は満足できない。スペインが今日のオマーンとやっていたら、もっと点差が付いていたと思う」。日本が世界に誇る左SBはアジア予選を戦いながらも常に世界を見据えている。

(取材・文 西山紘平)
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